2022 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブル誘起超音波キャビテーションによる極微小領域ラジカルプロセッシング
Project/Area Number |
20K05215
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
村上 能規 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (70293256)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロバブル / 超音波 / OHラジカル / キャビテーション / ナノバブル / ラジカル局所発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラジカルの局所発生を目的として、平均気泡系が1μm程度のマイクロバブルを発生器から内径 5 mm程度のテフロンチューブに導入し、チューブ内で超音波照射、そのラジカル発生挙動について実験を行った。その結果、ビーカー等の容器で行ったときと同様の特定の超音波周波数(45 kHz)においてのみ、OHラジカルの生成の増強が確認できた。他の超音波周波数ではOHラジカルの生成量は減少し、微細気泡による超音波キャビテーション発生のための定在波生成の擾乱とそれによるOHラジカル生成の抑制が確認できた。一方で、このような増強効果が45 kHzに限定されるかどうか、他の市販超音波発信器を用いて、OHラジカル生成の増減の測定を行った。その結果、40 kHz, 42kHzでは超音波強度が大きいにもかかわらず、OHラジカル増強効果は確認できず、45kHzの微細気泡による影響という結論となった。次に、このような効果について、微細気泡径による影響も確かめた。微細気泡径のマイクロバブル発生器による制御も試みたが、困難であることが判明したため、マイクロバブルをチューブに導入したあと、超音波を照射し、超音波ー気泡相互作用(ビヤークネス力)による微細気泡の変形とその超音波照射効果について、調査した。具体的には、チューブ内に導入したマイクロバブルに超音波を照射し、それを猛1つの超音波発信器に導入して、OHラジカル生成量がどのように変化するかを調べる実験を行った。その結果、1段目の超音波照射に関わらず、OHラジカル生成増強は45kHz超音波照射で生じた。これは、微細気泡のサイズに影響されない現象であり、マイクロバブル由来のナノバブルによる影響であることを示唆している。このようなチューブによる微細気泡導入においても超音波照射でOHラジカル増強が確認され、局所ラジカル発生増強の可能性が実験的に確認できた。
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Research Products
(5 results)