2022 Fiscal Year Annual Research Report
次世代バイオ医薬品の高速・大容量分離が可能なギガポア-アフィニティ分離剤の開発
Project/Area Number |
20K05228
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
熊田 陽一 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (70452373)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | chromatography / antibody / protein therapeutics / anion exchanger / dynamic binding capacity |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高効率なバイオ医薬品の分離プロセスの構築を目的とし、BNPsを高速・大容量・選択的に捕捉可能なアフィニティ担体の開発を目指す。本研究で開発するクロマト担体は、100 ~ 800 nm の間でサイズ調節が可能な貫通孔(ギガポア)を有し、BNPsや抗体医薬をはじめとする巨大生体分子の吸着に最適な比表面積を有する。さらに、粒子表面ならびに粒子内部には、独自に開発する自立型単鎖抗体がリガンドとして高密度・高活性・均一な配向で提示かのうであり、その結果、高流速域において高い動的吸着容量(DBC)を達成できると考えられる。2022年度は、アクリル系クロマト担体が有する吸着容量の拡大を目的とし、それぞれ分子量の異なるポリエチレングリコールを細孔内にカップリングし、静的吸着容量ならびに動的吸着容量の違いを評価した。その結果、分子量6,000 DaのPEGを導入したBioPro粒子(BP-60-Q)の吸着容量は、非導入BioPro(BP-0-Q)の吸着容量と比較して大幅に向上することが明らかとなった。また、グラフトするPEGの分子量の増加にしたがって、平均細孔径は小さくなる傾向がみられた。 BP-60-Q に対するヒト IgG の静的結合容量は 78 mg/cm3 で、これは BP-200 Q の容量の 73% であり、テストした従来の樹脂の容量と同等であった。 ヒト IgG を用いたリニアグラジエント溶出実験の結果、BP-60-Q は BP-200-Q や従来の樹脂と比較して、理論段高(h)に相当する換算高さの値が小さくなった。 BP-60-Q が、テストした樹脂の中で結合能力と物質移動特性のバランスが取れたヒト IgG のクロマトグラフィー精製において最も良好な性能を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Strategies for selection and identification of rabbit single-chain Fv antibodies as ligand in affinity chromatographyYoichi Kumada, Haingomaholy Michelle Rakotondravao, Yuya Hasegawa, Yuki Iwashita, Hiromichi Okura, Seiichi Uchimura, Jun-ichi Horiuchi2022
Author(s)
Yoichi Kumada, Haingomaholy Michelle Rakotondravao, Yuya Hasegawa, Yuki Iwashita, Hiromichi Okura, Seiichi Uchimura, Jun-ichi Horiuchi
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Journal Title
Journal of Bioscience and Bioengineering
Volume: 134
Pages: 233-239
DOI
Peer Reviewed