2020 Fiscal Year Research-status Report
相互作用界面のマスキングを介した有用タンパク質の高効率生産および精製技術の開発
Project/Area Number |
20K05234
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南畑 孝介 九州大学, 工学研究院, 助教 (90648586)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 受容体 / サイトカイン / タンパク質間相互作用 / 遺伝子組換タンパク質 / 高発現システム |
Outline of Annual Research Achievements |
難発現性サイトカインの高効率発現を達成するために、それらサイトカインの受容体細胞外ドメインを共発現し、受容体の結合によるサイトカイン相互作用界面のマスキングおよび、サイトカイン構造の安定化を行うことで発現量の向上が起きるかどうかについて検討を行った。まず、BMP4ならびにIL-2をターゲットに設定し、それらの受容体であるBMPR1a、BMPR2ならびにIL-2Ra、IL-2Rbのカイコバキュロウイルス発現ベクターの構築を行った。pDEST8をトランスファーベクターとして用い、大腸菌菌体内におけるTn7トランスポゾン反応を用いて、バクミドに目的タンパク質遺伝子を転移させ、組換えバクミドを調製した。得られた組換バクミドを菌体より抽出し、カイコ由来昆虫細胞株、BmN4にトランスフェクションすることで組換バキュロウイルスベクターを調製した。バキュロウイルスベクター調製時における、BmN4ライセートのウエスタンブロッティングによる解析から、各種ターゲットタンパク質の発現を確認した。調製した組換バキュロウイルスベクターをカイコ蛹に接種し、発現検討を行った。その結果、IL-2に関してその受容体と共発現することで、ウエスタンブロッティングにおける解析において発現量が向上している様子を確認できた。現在、BMP4について受容体共発現による発現量向上が起きるかどうかの検証中である。また、IL-2に関しては、受容体と共発現させたカイコ蛹からのタンパク質精製の検討を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの蔓延により、実験開始が遅れたため、本年度中に検証を終える予定であったBMP4に関する発現量向上効果を確認できなかった。既にベクターの構築は終わっているため、検討を進め遅れを取り戻す。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、IL-2ならびにBMP4の共発現による発現量向上効果を確認した後に、実際に精製を行い、受容体と共発現させなかった場合との発現量の定量的な比較を行う。更に、BMP4については、精製用のペプチドタグの導入が行えないという問題点があることから、受容体の相互作用を介したBMP4の精製方法の検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、予定していた学会参加がオンライン開催に切り替わったため、旅費の支出が大幅に減ったため。遅れ気味の研究進捗を取り戻すために、外注による作業の簡略化を積極的に行う予定でおり、その外注費として使用する予定である。
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