2022 Fiscal Year Annual Research Report
相互作用界面のマスキングを介した有用タンパク質の高効率生産および精製技術の開発
Project/Area Number |
20K05234
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南畑 孝介 九州大学, 工学研究院, 助教 (90648586)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レセプター / 成長因子 / 難発現性 / タンパク質間相互作用 / カイコ / インターロイキン |
Outline of Annual Research Achievements |
難発現性の成長因子の高効率生産を達成するために、それらのレセプターと共発現することで、ホスト生物内での安定性を高める効果について検討した。より具体的にはインターロイキンをターゲットに、カイコバキュロウイルス発現系を用いて、インターロイキンならびにその各種レセプターを共発現することで、カイコ体内におけるインターロイキンの発現量増加について検討を行った。その結果、レセプターを共発現させたカイコ血清中におけるターゲットとなるインターロイキンの発現量の増加をウエスタンブロッティングによって確認することが出来た。しかしながら、インターロイキンとレセプターとの分離手法を構築するに至らず、最終生成物としてターゲットとなるインターロイキンを単離することは達成できなかった。従って難発現性成長因子の高効率な生産システムの構築を達成できなかった。しかしながら、難発現性タンパク質において、結合タンパク質(レセプター)を存在させることで、その安定化を行うことができることを示唆する成果が得られ、将来的な難発現性タンパク質の高効率生産に繋がる知見が得られたと考える。具体的には、ターゲットとなる難発現性タンパク質とレセプターの界面に変異を導入し、pHや塩条件などマイルドな環境変化に応答してアフィニティを変化できる仕組みを導入することで、ホスト生物内では十分なアフィニティを発揮し、難発現性タンパク質の安定化を行い、精製時に適宜、アフィニティを弱めて、レセプターとの分離を可能とする技術を構築することで、難発現性タンパク質の高効率な発現、精製が可能になると期待される。
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