2022 Fiscal Year Annual Research Report
Photodynamic effect of hydrogen bonded supramolecular polymer having photoswitch
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20K05247
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
竹下 道範 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40274534)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超分子ポリマー / 光スイッチ / フォトクロミズム |
Outline of Annual Research Achievements |
超分子ポリマーは通常の共有結合で形成されているポリマーとは異なり、刺激によって容易に形成・解離することから、可逆的な次世代材料として注目を集めている。本研究で開発した水素結合性超分子ポリマーは、モノマー同士が水素結合によって結ばれており、溶液中では溶媒や温度を変えることによって可逆性が発揮されたていたが、エラストマーのような固体にすると、大きな変化は見られなかった。そこで、今回は、光スイッチを持った水素結合性超分子エラストマーの光駆動の検討を行った。エラストマーとしては、両端に四点水素結合部位を持ち、そのリンカーとしてポリエチレンブチレン鎖を持ったもの、ポリカーボネートを持ったもの、ポリエチレングリコールを持ったものを開発した。光スイッチとしては、水素結合部位を両端に有するフォトクロミックジチエニルエテンを用いた。これらの混合物を成膜することによって、光駆動水素結合性超分子エラストマーを作製したところ、これらのフィルムの中には、光によって屈曲するものもあり、化学反応を直接動力に変換することが可能となった。 一方、両端にクラウンエーテルをもったフォトクロミックジチエニルエテン化合物を合成し、ジアンモニウムイオンをもった化合物も合わせて合成した。これらの化合物は、三点水素結合によって溶液中で超分子ポリマーを形成することが動的光散乱測定によって明らかになった。今後、フィルムを作製することで、光駆動超分子ポリマーを開発する予定である。 本成果は、光アクチュエーターなどへの応用が可能になると思われる。
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