2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K05257
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹内 和歌奈 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (90569386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五島 敬史郎 愛知工業大学, 工学部, 教授 (00550146)
岩田 博之 愛知工業大学, 工学部, 教授 (20261034)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SiC / BN / SiC/BN積層 / SiCドット |
Outline of Annual Research Achievements |
量子ドットは電子を量子ドット内に閉じ込めることで、電子の状態は孤立した原子と同じような離散的なエネルギーレベルをもつ。この特徴化を生かし、高効率の観点からレーザーでの実用化の他、多岐に渡る応用が検討されている。 その中で、我々のグループは熱化学気相成長法でビニルシラン原料を用いたシリコン カーバ イド(SiC)層とボロンナイトライド(BN)層を多層に積層することで、SiCの量子ドット化を見出した。しかし、SiC量子ドットの報告は少なく、積層構造では報告がない。また、ドット化の作製条件についても十分な知見が得られていない。ドット化条件を見出すため、表面エネルギーに着目した。 BN層とSiC層の交互堆積ではBN層はトリスジメチルアミノボラン(TDMAB)とアンモニア(NH3)ガス、SiC層はビニルシランのみで形成した。Si基板上にh-BN層を厚く堆積していくと、凸凹な膜構造となり3次元成長を起こしてた。一方で、h-BN層とSiC層を交互に積層により、平坦な膜表面が得られた。そこで、接触角測定により表面エネルギーの評価を行った。h-BN層のみの膜では20度という小さな接触角が得られた。一方で、SiC薄膜のみまたはBN/SiC積層構造では60~110度と大きな接触角に変わった。小さな接触角は大きい表面エネルギーを持つことを示している。この結果からh-BN層上にSiC層の堆積により表面エネルギーが下がり2次元成長的になり、平坦な膜になることがわかった。また、別の作製方法で形成したc-BNでは100度を超える撥水性を示した。従って、BN層の作り方をコントロールし、SiCよりも表面エネルギーを下げることで、SiCのドット化できる可能性がある。 3年目はh-BN、c-BNの形成方法と表面エネルギーについて明らかにし、SiCのドット化形成メカニズムおよびその特性を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
外部で試料作製・評価を行う予定であったが、コロナ禍の影響で外部での実験が制限されたことで、SiC/BN構造形成およびその評価に遅れが出た。 特に、SiC/BN成膜装置が途中で故障したが、コロナ禍の影響で部品が入らず修理が滞り、評価するための試料作りに大きな影響を受けた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度特に、コロナ禍で部品等が入らずに修理が滞っていた成膜装置に関しては修理の目途が立ったため、今年度は新しい試料を作製し遅れを取り戻していく。 また、外部での実験の制限が緩和されてきているので、これまで確立した学内での評価と合わせて進めていく。
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Causes of Carryover |
試料作製のための出張が予定した回数出来なかったため次年度使用額が生じた。次年度の作製の出張旅費および膜評価のための装置利用料などに使用する。
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