2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development Synthesis Route of Oxide Nanosheets with Single-unit-cell Thickness by Utilizing Langmuir Film Interface as Reaction Field
Project/Area Number |
20K05262
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保田 雄太 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (80851279)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ボトムアップ溶液プロセス / 単位格子厚 / 酸化セリウムナノシート / シート形成メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの本研究で得られた知見に基づき、合成条件の再検討と調整を行った結果、厚さ約0.53 nmの酸化セリウムナノシートが形成された。酸化セリウムの単位格子厚は0.54 nmであることから、単位格子厚を有する酸化セリウムナノシートの合成が達成された。 シートの薄さからTEM観察によって格子縞を確認することができずにシートの結晶性を評価することはできなかったが、六角板状であることから1つのシートは単結晶で構成されているものと考えられた。具体的な合成条件の再検討と調整としては、特に原料溶液の濃度、本研究のキーとなるGas-assisted Langmuir film Reaction Field (G-LRF) Synthesisプロセスにおけるアンモニア水の濃度について重点的に行った。G-LRFプロセスでは密閉容器中に原料溶液を保持した容器とアンモニア水を保持した容器を静置することで行われる。従って、アンモニア水の濃度調整はアンモニアの揮発速度と原料溶液の気液界面へのアンモニアの溶解速度に関与しており、原料溶液界面に存在するラングミュア膜界面での反応速度に影響を与える。 得られた単位格子厚酸化セリウムナノシートは600℃における酸素暴露時に抵抗値が低下した。一般的に酸化セリウムはn型半導体であり、酸化セリウムを用いた酸素センサーでは酸素供給時に酸素欠陥濃度が減少することで抵抗値が上昇する。従って、単位格子厚ナノシートとすることでバルク体とは異なる抵抗値変化挙動を示したことになる。この原因としては、ラングミュア膜由来の炭素系不純物がシート表面に残っており、その不純物に電子がトラップされる電気的特性に影響を与えたと考えている。 以上のように、本研究によりラングミュア膜界面を反応場とした単位格子厚酸化物ナノシートの合成プロセスが開拓され、単位格子厚酸化セリウムナノシートが合成された。
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