2021 Fiscal Year Research-status Report
Fabrication of CNT/Cu thin films by UV irradiation of precursor films involving a Cu(II) complex at room temperature
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20K05270
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
永井 裕己 工学院大学, 先進工学部, 准教授 (20559942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光史 工学院大学, 先進工学部, 教授 (10154105) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 銅 / プレカーサー水溶液 / 銅錯体 / 還元剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は,光照射による銅膜形成を化学的湿式法の分子プレカーサー法で試みた。分子プレカーサー溶液に含まれる銅錯体を設計して,配位子の異なる溶液を調製した。それらの溶液を石英ガラス基板上に塗布,乾燥したプレカーサー膜に波長254 nmの光を25°Cで数時間照射した。配位子を設計することで銅単一相膜の形成が可能であることはわかった。しかし,その銅膜には有機物が多く含まれていることから,500 MΩ以上の抵抗を示した。そこで,新たに銅プレカーサー溶液を設計して,そこに還元剤を添加する銅膜の形成法を試みた。溶液中のCuイオン濃度を調整した銅プレカーサー水溶液中に含まれる還元剤と銅錯体の物質量比(X = AA/Cu)が1,2,3となるように混合して,3種類の銅プレカーサー水溶液を調製した。プラスチックシャーレに400 mm^2の石英ガラス基板を設置してそこに調製したプレカーサー水溶液を加え,それぞれY日(Y = 1-6の整数)静置して,計18種類の膜を形成した。膜の電気抵抗率は,FE-SEMで断面観察した膜厚と,四探針法で測定した抵抗から求めた。その結果,3日静置した膜の電気抵抗率は,9.57 × 10^-5 Ω cmを示す銅膜の形成を達成した。また,この膜のXRDパターンは,銅単一相を示した。形成した膜は,ガラス基板に密着して,常温で銅膜の形成を達成した。今後はこの溶液を用いて実験を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光形成による銅膜形成については,有機物分解の観点から困難だった。そこで,根本的に銅膜の形成法を変えることで,低い抵抗率を示す銅膜形成を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,昨年度達成した銅プレカーサー水溶液にカーボンナノチューブを分散させて,カーボンナノチューブ含有銅膜形成を試みる。水溶液中に含まれるカーボンナノチューブ含有量と膜中に含まれる量の相関をXPSやXRDで調べ,それらの絶縁破壊試験をおこなう。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で国際学会や国内学会がオンラインで開催されたことから,旅費は使用しなかった。
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