2022 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of CNT/Cu thin films by UV irradiation of precursor films involving a Cu(II) complex at room temperature
Project/Area Number |
20K05270
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
永井 裕己 工学院大学, 先進工学部, 准教授 (20559942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光史 工学院大学, 先進工学部, 教授 (10154105) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 単相カーボンナノチューブ / 銅錯体 / 錯体還元法 / 分子プレカーサー法 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度,錯体還元法による常温での銅膜形成を報告した。今年度は,昨年度達成した銅プレカーサー水溶液にSWCNTを混合して,錯体還元法での膜形成を試みた。まず,SWCNTが分散する銅プレカーサー水溶液の調製を目的に調製条件を検討した。還元剤水溶液,銅錯体水溶液を混合して銅プレカーサー水溶液を調製した。還元剤水溶液に対してSWCNTは,均一に分散した。しかし,そこに銅錯体水溶液を混合すると,分散しなかった。このことから,SWCNTの種類(試薬メーカーの違い),溶液調製方法,銅イオン濃度,CuとSWCNTの体積比,溶液の温度,銅イオンとアスコルビン酸の物質量比,銅プレカーサー水溶液の撹拌時間を変化させて,SWCNTが分散する条件を検討した。しかし,いずれの溶液にも均一に分散しなかった。この点から,SWCNT分散溶液の分散剤,またはSWCNT自身が銅錯体と反応して,SWCNTが凝集していることが考えられる。そこで,SWCNT/Cu膜の形成,SWCNTが銅膜の形成を阻害するかを検証するために,銅イオン濃度,CuとSWCNTの体積比,溶液の温度,銅イオンとアスコルビン酸の物質量比,成膜時の成膜温度,静置時間を検討した。その結果,SWCNT分散溶液は,銅膜の形成を阻害することが分かった。 以上の結果より,銅錯体ではSWCNTが分散しないと考えて,SWCNTが分散した溶液を得るために配位子を検討する必要があると考えた。分子プレカーサー法では,様々な配位子を用いて薄膜の形成が報告されている。したがって,配位子を検討してSWCNTが分散する銅プレカーサー溶液を調製後,分子プレカーサー法によるSWCNT/Cu膜の形成を今後は検討する。
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