2022 Fiscal Year Research-status Report
Morphology control of PBA core-shell nanoparticles and the TEM observation of Nano-hetero surfaces
Project/Area Number |
20K05272
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
糸井 充穂 日本大学, 医学部, 准教授 (40422448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 徳太郎 日本大学, 医学部, 准教授 (50280938)
小林 夏野 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60424090)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電荷移動スピン転移 / TEM / 粉末X線構造解析 / ナノ粒子 / サイズ効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
今まで我々は、CoFe-PBAで観測される電荷移動スピン転移を粉末X線構造解析、磁化率測定およびTEM測定から見てきた。CoFe-PBAは電荷移動スピン転移の前後で、結晶構造は立方晶のままであると報告されている。K0.3Co[Fe(CN)6]0.77・nH2Oでは、1K/minほどの温度コントロール下で電荷移動スピン転移が起きると、高温相スピン状態(CoII(S=3/2)-FeIII(S=1/2))と低温相スピン状態(CoIII(S=0)-FeII(S=0))が混合した中間相が出現する。この物質は、柔らかい構造を有するために、このような混合状態になると結晶内に生じる内部圧力により、局所的に立方晶から他の晶系に構造が変化する可能性がある。もし、この局所構造が変わればK核の四重極周波数の変化として検出できると期待されたため、我々はKCoFe-PBAの39K核NMR測定を実施し、電荷移動スピン転移前後の39K核の挙動を捉える試みを行った。その結果、電荷移動スピン転移が起こる温度以下の50Kと100Kで2種類の緩和成分を持つ39K核の信号を得ることに成功した。合成面ではCore@Shell型PBAのCore部分にあたる100nm程のサイズ粒径のRbCoFe-PBAとshellにするためのPBAを作成した。得られた試料のTEM測定から粒径分布を調べ、EDS測定から組成を確認することで、これら物質の合成条件の見直しを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
KCoFe-PBAに見られる準安定相や中間相と呼ばれる特有の相を調べる物性測定及び、TEM画像解析等は進んでいる。しかしながら、コロナ禍の対応や新カリキュラムの対応に追われ、合成方面に時間を割くことが難しかった。100nmほどの大きさのコアとなるCoFeーPBAの合成条件および、シェルにしたいPBAサンプルの合成条件の見直しはできたが、コアシェル型サンプルの作成までは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はRbCoFe-PBAのRb核NMR測定を実施し、アルカリイオンが異なる場合の微視的な環境を調べ、KCoFe-PBAの結果と比較する。昨年度と同様、セルの設計を進め、結晶の合成を小規模なスケールで行えるようにし、コアシェル型ナノ粒子の作成とその物性探索を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
試料の合成条件を詰めるためには、プログラム可能な送液ポンプと送液ポンプ用チューブを購入する必要があるが、今年度は主に物性測定を行なっていたため、合成方面に予算を使用しなかった。次年度は送液ポンプを購入し、粒径サイズのコントロールを試みる。またマイクロ流路の作成と試薬等に予算を使用する。
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