2023 Fiscal Year Annual Research Report
Morphology control of PBA core-shell nanoparticles and the TEM observation of Nano-hetero surfaces
Project/Area Number |
20K05272
|
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
糸井 充穂 東京都市大学, 理工学部, 教授 (40422448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 徳太郎 日本大学, 医学部, 准教授 (50280938)
小林 夏野 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60424090)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ナノ構造物性 / 分子磁性体 / 光誘起相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
KCoFe-PBAは温度や光の制御によって複数の準安定状態が存在する。最終年度は前年度に引き続き、電荷移動スピン転移によって生じる二相共存状態を39Kおよび59Co-NMR測定から調べた。39K-NMRから高温相および低温相におけるT1の緩和時間を測定した。59Co-NMRでは低温で四重極作用による大きく広がったスペクトルが観測された。スピン揺らぎを評価するためにT1の測定を行なったところ、20K付近に異常があることがわかった。現在、クラスターグラス状態(16K付近)との関係を調べている。 また、RbCoFe-PBA@KCoCr-PBAの合成条件を確立することができた。600nmほどのRbCoFe(コア)にシェルKCoCr-PBAを3段回に分けて徐々にを育成する合成を試み、最終的にRbCoFeとその上に55nmの厚みに成長させたRbCoFe-PBA@KCoCr-PBAを合成して電子顕微鏡で内部および外形を観測しSTEM/EDXによる組成分析、X線構造解析を行った。
研究期間全体を通じて、(1)光誘起磁性転移を起こすKCoFe-PBAのサイズが500nmから100nmサイズに減少すると、電荷移動スピン転移が起きづらくなり、サイズの減少によって、高温相のスピン状態CoII(S=3/2)-FeIII(S=1/2)が支配的になる(2)低温相(スピン状態CoII(S=0)-FeIII(S=0))及び中間相と呼ばれる二相混合状態からの光誘起が難しくなることを明らかにした。さらに二相混合状態の微視的な描像をNMR測定から捉えることができた。また、コアシェル型の圧力下の構造解析を行うため、DACを用いたX線構造解析実験を試行する過程の予備実験で有機伝導体を用いたX線構造解析を行い8GPaまでの構造解析を遂行することができた。マイクロ流路によるコアシェル型PBAの合成は、現在も進行中である。
|