2020 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical study of laser-excited magnetization reversal dynamics for developing ultra-high-density magnetic recording media
Project/Area Number |
20K05313
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山路 俊樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (30432355)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超高速磁気記録 / 超高密度磁気記録 / レーザー励起 / 交換結合 / スピン波 / カオス / Atomisticシミュレーション / 理論解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではレーザー励起磁化反転の理論を構築し、5Tbit/in2を超える次世代高密度且つ超高速磁気記録を実現する磁化反転制御手法の確立を目指す。まず、有効Atomisticスピンモデルを作成し、レーザー励起磁化反転に必要な臨界条件を理論的に決定する。次に、パルスレーザーを印加した際のスピンダイナミ クスのシミュレーションを行い、磁化反転に寄与する磁化モードの詳細な同定を行う。レーザー励起と磁化反転の相関を精査し、レーザ ー励起磁化反転の低消費電力化、および高精度(低エラー率)化の指針を得る。レーザー励起により交換結合を介した磁化反転ダイナミクスという未開拓な物理理論を提案する点で学術的な意義は大きい。また、レーザー励起磁化反転の実現により、情報デバイス業界におけるブレイクスルーへの貢献が期待される。令和2年度は、レーザー励起磁化反転が起こる臨界条件を明らかにするために、二層交換結合系垂直ナノ磁性体に対応する物質パラメータを精査し、 Atomistic有効スピンモデルを作成した。LLG (Landau-Lifshitz-Gilbert)方程式を解くことに より、有効磁場下におけるAtomisticレベルの磁化ダイナミクスを算出する有効スピンモデル計算プログラムの構築を進めた。レーザー励起磁化反転のメカニズムには当初想定していたスピン波以外の要素も検討に含める意義があることが分かってきた。従来のアシスト磁化反転とは物理メカニズムが全く異なるレーザー励起磁化反転の理論的定式化を行う上でも、理論設計を行う上でも基礎となる重要な意義がある研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザー励起磁化反転が起こる臨界条件を明らかにするために、二層交換結合系垂直ナノ磁性体に対応する物質パラメータを精査し、 Atomistic有効スピンモデルを作成した。LLG (Landau-Lifshitz-Gilbert)方程式を解くことに より、有効磁場下におけるAtomisticレベルの磁化ダイナミクスを算出する有効スピンモデル計算プログラムの構築を進めた。また、フリーソフトウェアを用いたAtomisticシミュレーションを取り入れることにした。さらに、レーザー励起磁化反転のメカニズムには当初想定していたスピン波以外の要素も検討に含めることにした。
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Strategy for Future Research Activity |
Atomistic有効スピンモデル及びシミュレーションソフトウェアを利用して、系統的にパラメータを振ったシミュレーションを行うことにより、レーザー励起磁化反転の最適条件等を明らかにしていく。また、レーザー励起磁化反転のメカニズムには当初想定していたスピン波以外の要素も検討に含めてシミュレーション及び理論解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により当初想定していた旅費・学会参加費等が発生しなかったため。 多数のパラメータを振った系統的な数値計算を行う必要があり、計算資源・ソフトウェアライセンスに充当する計画である。
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