2020 Fiscal Year Research-status Report
Control of optoelectronic properties of non-stoichiometric compounds ScN by impurity doping
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20K05335
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大垣 武 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主任研究員 (80408731)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 窒化スカンジウム / ドーピング / 光・電気特性 / 非化学量論的化合物 / 薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、MBE法を用いて、ドナーとしてTa、アクセプタとしてMgを添加したScN薄膜の合成、および、通常+3価のB、Yを固溶させた薄膜を合成し、それらの光・電気特性を評価する。これにより、高い電子移動度を有するScNの半導体素子への応用の可能性を検討するとともに、大きな非化学量論的組成をもつ化合物へのドーピング、岩塩型結晶構造の機能性材料としての可能性についての知見を得ることも目的としている。 本年度は、ドーピングによる半導体の物性制御を明確に示すために必要不可欠である、高品質薄膜の合成プロセスの確立を目的として、MBE法を用いた高品質ScN薄膜の合成に関する研究を実施した。また、MBE法により作製したScN薄膜にプラズマ照射処理を施すことによって、ドーピングの効果を向上させることを目的として、MBE法で作製したScN薄膜へのプラズマ照射処理を試み、その電気特性について評価を行った。 高品質ScN薄膜の合成プロセスの確立については、これまでに高品質な薄膜が得られることが知られているサファイア基板を用いて、そのヘテロ成長機構の解明と、より適した成長用基板の探索を実施した。その結果、従来の報告よりも高品質なScN薄膜が得られる成長用基板を見出した。 作製したScN薄膜へのプラズマ照射処理に関しては、作製したScN薄膜に真空中、窒素プラズマ中、水素プラズマ中での加熱処理を施し、その電気特性の変化を評価した。その結果、非化学量論的組成の変化に起因する電気特性の変化、ScN薄膜中の水素がドナーとして機能することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MBE装置の構成機器が故障し、その修理に時間を要したため、当初の計画よりもMBE法を用いた薄膜合成に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
装置の修理が完了したことから、当初の計画通り、ドーパントを供給できるようにMBE装置を改良し、ドーピングしたScN薄膜の合成、及び、物性評価を実施する。
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Causes of Carryover |
本年度は、MBE装置の構成機器が故障したため、その代替品を物品費で購入した。購入予定であった超高真空エバポレーターは、他の装置で利用していたものを譲渡してもらったため、購入する必要がなくなった。次年度使用額は、譲渡してもらったエバポレーターのメンテナンス費用、消耗品代などに充てる計画である。
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Research Products
(1 results)