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2020 Fiscal Year Research-status Report

Creation of all solid photorechargeable battery by the accelerated charging process using co-axial electrospun nanofibers

Research Project

Project/Area Number 20K05344
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

堀江 雄二  鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (50201760)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsナノファイバ / 固体電解質 / 電界紡糸法 / イオン伝導
Outline of Annual Research Achievements

超小型でメンテナンスフリー・充電不要の自発発電型独立電源の実現のために,単一デバイスで光充電可能な薄膜型「光蓄電池」の固体電解質による全固体化を目指している.固体電解質はリチウム(Li)イオン伝導度が十分には高くなく光充電過程での律速となってしまうため,本研究では電界紡糸法によって得られた直径100 nm程度のナノファイバからなる不織布状シートのナノファイバ間の空間を固体電解質で満たし,ナノファイバ表面の広い反応場を確保しつつ,イオン移動距離をナノメートルオーダーにすることで,イオン伝導度の低さを克服することを目的とし,蓄電材の酸化タングステン(WO)と代表的な固体電解質であるリン酸リチウム(LiPO)を用いて以下の①~③の電極構造による実験を行った.①WOナノファイバ(NF)の不織布状の薄膜の隙間を LiPOで埋めることで, WO平坦膜を用いたときに比べてWO/LiPO界面における電荷移動抵抗を減少させることが出来ることを示した.しかし、LiPO結晶粒とWO-NFとの接触が悪く、NF化のメリットを最大限に活かせていなかった.②そこでWOをコア、LiPOをシースにした同軸型コアシース構造にして両材料を同時にNF化することで、WO3とLiPOの接触をより密にした構造にした.その結果,充放電容量は向上したが,WOと同時にLiPOが結晶化したことにより界面抵抗とLiイオン伝導の活性化エネルギーが上昇することが分かった.③導電性の良いスズドープ酸化インジウム(ITO)のNFをWOで被覆したコアシースNFの隙間をLiPOで埋めることでWO層を数十nmまで薄くし,WO層の厚さを変えることでLiイオンの挿入特性を調べた.その結果、WO層を厚くすることで充放電容量が増加させることができ,活性化エネルギーに変化がなかったことから数十nmの領域では十分速くLiイオンが拡散することが示された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の実施計画の通り,蓄電材の単独ナノファイバと,導電ナノファイバを厚さ数100ナノメートルの蓄電材の層で覆った同軸ナノファイバからなる不織布状薄膜の,ナノファイバ間の空間に固体電解質を挿入することで,全固体蓄電池を実現することができた.また,その充放電特性や電気化学インピーダンス測定などから同軸ナノファイバ型電極の得失を明らかにすることができた.得られた知見としては,①蓄電材の厚みをナノファイバ化によってLiイオンの拡散距離よりも短くすることで,蓄電材-固体電解質界面でのLiイオンの移動特性が向上することを見いだし,蓄電層をさらに厚くすることで蓄電容量のさらなる増大を図ることが出来ることが分かった.②逆に,ナノファイバ構造にすることで蓄電材と固体電解質の界面での接触を保つのが難しくなり,蓄電に有効な界面の面積が狭くなることが最も克服すべき課題となる.ことである.特に②の課題を克服するために,ナノ粒子レベルで蓄電材と固体電解質を混合し,混合比を変えることで接触状況の最適化を図ったり,蓄電材のナノファイバの作製時に同時に表面を固体電解質で覆った同軸型ナノファイバによってLiイオンの伝導特性を調べたりするなどの工夫を行ったが,動作温度によって2つの材料の熱膨張の違いによる影響が見られるなど,未だ解決には至っていない.今後は電極構造を工夫することでこの課題の解決を目指す予定である.

Strategy for Future Research Activity

これまでの成果を受けて.今後は以下のように研究を推進していく予定である.①導電体・蓄電層同軸型ナノファイバ構造で蓄電材・固体電解質界面での接触面積を最大化し,熱膨張の違いの影響を最小にできる電極構造を模索する.電界紡糸法ではナノファイバを配向させることで1次元的な構造を作ることも可能であり,それと固体電解質を複合化させることで,ナノファイバ構造の特長を活かしながら,最適な電極構造を模索していく.蓄電材と固体電解質の複合材料を用いる場合は,ナノファイバ成膜プロセス中での結晶化度の制御がLiイオン伝導特性に大きく影響することになるため,蓄電材・固体電解質界面での電気化学インピーダンスを測定し最適な焼成条件を模索する.②上記ナノファイバ構造においてLiイオン伝導特性を損なうことなく,蓄電効率が最大となる蓄電層の厚さとナノファイバ構造を探索する.③これまで最も単純なLiイオン伝導体であるリン酸リチウムを用いてきたが,近年,酸化物系の優れたイオン伝導度を持つ固体電解質が数多く発見されているため,それらで置き換えたときのLiイオン伝導特性への影響を調べ,充放電のさらなる高速化を目指す.固体電解質が変わることで最適な蓄電材・固体電解質界面が得られるように作製プロセスの再検討が必要になる.④正極側も負極と同様な同軸ナノファイバ構造にすることで,蓄電池全体としてのさらなる充放電の高速化を目指す.その際,正極側と負極側でのLiイオンの移動量と速度のバランスを取るために,最適な条件を模索する.

  • Research Products

    (8 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (6 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Conductive self-standing nanofiber fabric of fluorine-doped tin oxide prepared by electrospinning for use in flexible electronics2021

    • Author(s)
      Ken Yoshinaga, Yuji HORIE, Akimasa Ichigi, Muhammad Zobayer Bin Mukhlish, Teruaki Nomiyama
    • Journal Title

      Journal of Materials Science: Materials in Electronics

      Volume: 32 Pages: 11823-11834

    • DOI

      10.1007/s10854-021-05812-x

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] LiMn2O4ナノファイバ膜を用いた光蓄電池の全固体化の試み2021

    • Author(s)
      中釜 悠気, 西田 士師, 大迫 光佑, 野見山 輝明, 堀江 雄二
    • Organizer
      2021年 第68回応用物理学会春季学術講演会
  • [Presentation] WO3/ITOコアシース型ナノファイバを用いた光蓄電池の全固体化の試み2020

    • Author(s)
      庄崎 まこと, 西田 士師, 小牧 平知, 野見山 輝明, 堀江 雄二
    • Organizer
      応用物理学会九州支部学術講演会
  • [Presentation] WO3多孔質挿入WO3/FTO同軸ナノファイバ膜の光充放電特性2020

    • Author(s)
      田口 和樹, 隈元 大登, 永渕 佑太郎, 野見山 輝明, 堀江 雄二
    • Organizer
      応用物理学会九州支部学術講演会
  • [Presentation] ナノファイバ電極/固体電解質界面でのイオン伝導特性2020

    • Author(s)
      中釜 悠気, 西田 士師, 小牧 平知, 庄崎 まこと, 野見山 輝明, 堀江 雄二
    • Organizer
      応用物理学会九州支部学術講演会
  • [Presentation] FTO-SiO2複合ナノファイバ不織布のフレキシブル導電基板への応用2020

    • Author(s)
      吉永 賢, 野見山 輝明, 堀江 雄二
    • Organizer
      応用物理学会九州支部学術講演会
  • [Presentation] エレクトロスプレーを用いた垂直配向CNTの光蓄電池への応用2020

    • Author(s)
      日高 新詞 , 板敷 龍政, 野見山 輝明, 堀江 雄二
    • Organizer
      応用物理学会九州支部学術講演会
  • [Book] エレクトロスプレー/スピニング法とその応用2021

    • Author(s)
      山下義裕,堀江雄二ほか(分担)
    • Total Pages
      341
    • Publisher
      シーエムシー出版
    • ISBN
      978-4-7813-1592-8

URL: 

Published: 2021-12-27  

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