2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K05350
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
大滝 正訓 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (20612683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 有紀 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (60387066)
廣井 朋子 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 講師 (20238398)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分子動力学 / 脱水和 / 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は結晶化における溶液成長の素過程を分子レベルで明らかにする事を目的とし、実験、シミュレーションの両面からアプローチを行う。令和2年度(2020年度)はアイソトープを用いた実験を進める予定であったが、試薬、消耗品の供給状況が不透明であったため、予定を変更し、シミュレーションを中心に研究を進めた。シミュレーションについて今年度開始を予定していなかったため、計算環境の整備を行った。
1.脱水和・脱溶媒和における水和状態の変化:幾つかのタンパク質、低分子の水和状態を分子動力学計算により評価した。溶液中、結晶中、結晶表面近傍でそれぞれ水和状態の評価を進めており、結晶内に水のチャネル構造がある立方晶インスリンでは結晶表面と同程度の水分子の運動が見られた。
2.RIによる分子取り込み実験の予備的検討:本課題申請時に検討していた条件をもとに、立方晶インスリン、イノシン5’ー一リン酸において、RIを使用しない環境で、予備的な実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度(2020年度)はアイソトープを用いた実験を進める予定であったが、消耗品の供給不足によりスケジュールを変更する必要があった。また、講義、実習形式の変更等により当初計画していたほどエフォートの確保が難しい状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度(2021年度)は実験に着手し、タンパク質、有機分子の取り込み実験を行う。特に令和2年度に計画していた、RIを用いた取り込み実験については可能な限り早く実験を行う予定である。また、シミュレーションでは、令和2年度(2020年度)に引き続き、水和状態の計算を行い、自由エネルギーの変化を見積もる。
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Causes of Carryover |
今年度は実験で使用するディスポーザブルの消耗品の入手が困難な状況が続いたため、RI試薬の購入を見送った。また、講義、実習の対応のため、当初予定ほどエフォートの確保ができなかったため、使用額が当初予定よりも大きく変更となった。
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Research Products
(2 results)