2021 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of periodontal tissue judgment with the compound eyes imaging system using deep learning
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20K05369
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
緒方 智壽子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (60288777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 純 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (00183070)
香川 景一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30335484)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周組織 / TOMBO / 歯肉厚 / 複眼システム / 人工知能 / 歯周治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体の深くまで浸透する近赤外に対して感度の高いブラックシリコンイメージセンサを複眼化した.ブラックシリコンの受光感度域は400nm~1300nmであり,1μm以上の波長にも感度をもつため,歯肉深部の計測が可能である.130万画素(1280×1024画素)のイメージセンサを3×3眼の複眼化し,個眼当たりの画素数を300×300画素以上と,歯肉の計測には十分な画素数にできた. 歯肉の数値モデルとして,まず歯肉と歯槽骨から成る2層モデルを考えた.また,歯肉については全ヘモグロビン濃度,酸素飽和度,パワーローに従う換算散乱係数,厚み(合計5パラメータ)を未知とし,歯槽骨の吸収係数・換算散乱係数は既知とした.複数のGPUを用いた超高速モンテカルロシミュレータを構築し,様々なパラメータの組み合わせについて計測波長に対する反射率のデータセットを作成した.3層ニューラルネットワークを用いて学習を行い,計測した複数波長に対する反射率から歯肉厚を推定することを試みた.9つの波長(466nm, 541nm, 633nm, 750nm, 776nm, 863nm, 921nm, 935nm, 967nm)の反射率から,歯肉厚0~1.5mmについて良好な線型性が得られた.また,広い計測波長範囲を選ぶと4波長(例えば541nm, 633nm, 766nm, 935nm)でも歯肉厚が良好に推定できることを数値シミュレーションにより確認した.歯肉厚を場所によって変えた数値ファントムを作成し,3層ニューラルネットワークにより歯肉厚の2次元分布が得られることをシミュレーションにより確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、分光画像計測と機械学習に基づく歯肉厚推定に関する研究を進めた。広い計測波長範囲を選ぶと4波長でも歯肉厚が良好に推定できることを数値シミュレーションにより確認した.また歯肉厚を場所によって変えた数値ファントムを作成し,3層ニューラルネットワークにより歯肉厚の2次元分布が得られることをシミュレーションにより確認し、これにより検討手法の有効性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、歯肉歯槽粘膜境の推定技術をもとにして、歯肉深部の組織状態の推定に発展させる。生体組織は散乱体であるため、光を用いた計測が困難である。計算イメージングと人工知能技術の活用により、この問題を解決する。観察信号のスパース性を利用するため、バイナリ構造照明光を歯肉に投射し、偏光情報を含めた近赤外TOMBO撮像データより、歯肉深部の組織状態を推定する。特に、歯科医療において歯肉厚さの情報は重要であり、歯肉組織による散乱と歯骨からの反光を利用して、深層学習により歯肉厚の推定をめざす。 今回3層ニューラルネットワークにより歯肉厚の2次元分布が得られることをシミュレーションにより確認した.今後、歯科専門知識と臨床診断における経験を活かし、さまざまな様態の10名程度の臨床データから学習用データを生成し、歯肉・歯の数値モデルを構築し、モンテカルロシミュレーションを併用して、その問題解決をめざす。複眼カメラの歯科応用を共同で行ってきた研究グループの経験に基づくPDCAサイクルを活用し、高い実用性を持ったモデルを開発する。
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Causes of Carryover |
理由 システム試作費が当初予定より少なく済んだため。 使用計画 使用変更のため、一部の部品購入を次年度に繰越、当該部品の購入のために使用する。
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Research Products
(2 results)