2022 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of periodontal tissue judgment with the compound eyes imaging system using deep learning
Project/Area Number |
20K05369
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
緒方 智壽子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (60288777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 純 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (00183070)
香川 景一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30335484)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 複眼撮像システム / 歯周組織 / 歯周治療 / 歯肉厚 / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,計測した反射率から歯肉厚を推定するために,モンテカルロシュミレーションのための2層の歯肉モデルを作成した.それぞれの層について妥当な範囲で総ヘモグロビン量,組織酸素飽和度,パワー則に従った換算散乱係数を想定して,モンテカルロシミュレーションによりデータセットを作成した.これを用いて3層ニューラルネットワーク(NN)を学習し,歯肉厚を出力するNNを作成し,被験者実験により得られた反射率データの分布との比較を行い,付着歯肉部でのデータの有効性を確認した. モンテカルロシミュレーションにより2層の歯肉モデルを作成して,4つの波470nm, 660nm,730nm, 850nmに対する反射率のデータセットを作成した.これを用いて入力層のノード数4,中間層のノード数10,出力層のノード数1とした3層ニューラルネットワーク(NN)を学習し,1層目(歯肉)の厚みを出力するNNを作成した.2名の被験者実験により得た実測データの反射率画像からNNにより歯肉厚の分布を推定し,歯肉厚の正解データはX線CTから読み取った. 比較の結果,歯槽粘膜部分は誤差が大きくなったが,付着歯肉については歯肉0.24mmRMSEの精度で良く推定されていた. 被験者実験により得られた反射率データの分布を吟味したところ,付着歯肉と歯槽粘膜で,データが明らかに異なる分布を示していることが分かった.歯槽粘膜部での誤差が大きくなったのは,血液が豊富な歯槽骨が第2層にあるため,想定した2層モデルと実際の生体組織が異なることが原因と考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,前年度の課題であったモンテカルロシュミレーションを用いた2層の歯肉モデルを作成した.これを用いて3層ニューラルネットワーク(NN)を学習し,歯肉厚を出力するNNを作成し,被験者実験により得られた反射率データの分布との比較を行い,付着歯肉部でのデータの有効性を確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究において、歯槽粘膜部での誤差が大きくなったのは,血液が豊富な歯槽骨が第2層にあるため,想定した2層モデルと実際の生体組織が異なることが原因と考えられる. 被験者実験により得られた反射率データの分布を吟味したところ,付着歯肉と歯槽粘膜で,データが明らかに異なる分布を示していることが分かった.今年度は歯肉モデルとして総ヘモグロビン量,組織酸素飽和度などを与えたが,その制限によりNNの推定に偏りが生じている可能性がある.そこで,吸収係数,換算散乱係数をあり得る範囲において一様乱数で変化させたデータセットを用いて推定を行う.
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Causes of Carryover |
システム試作費が当初予定より少なく済んだため
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