2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of coherent infrared sensing technique by diamond nano-micro photonics
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20K05372
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
松原 英一 旭川工業高等専門学校, 人文理数総合科, 准教授 (10421992)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 赤外分光 / 超広帯域検出 / テラヘルツ波 / 非線形光学 / ダイヤモンド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ダイヤモンドを基盤とした独自のナノ-マイクロフォトニクスを展開し、超広帯域コヒーレント赤外センシングの性能を社会実装可能なレベルまで引き上げることを目的としている。本年度は、表面に電極パターンを施したダイヤモンド基板による、電場誘起第2高調波発生のための準備を中心に行った。これは、高強度フェムト秒パルス光源によって描画した電極状の溝に、銀ペーストを埋め込んで作製したものである。3.0x3.0x0.2mmのダイヤモンド基板にギャップ長の異なる3種類の電極を作製してある。 実験は大阪大学に出張して行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症の流行により実施が難しかった。そこで、予定していた出張費等を自前による光源等の準備に振替え、Ybファイバーレーザー発振器の部材を購入することにした。このほか、高圧直流電源、レーザーパワーメータ等を準備した。次に、微細な電極間に高電圧を印加するための部品を設計した。今年度、表面に電極パターンを施したダイヤモンド基板による、電場誘起第2高調波発生の実験を実施し、成功すれば学会発表、論文発表を行っていく所存である。 11月には得られていた研究成果をアメリカ合衆国のバッファローにて開催された第45回赤外ミリ波とテラヘルツ波に関する国際学会(オンライン開催)で2件の口頭発表を行い、世界の第一線級の研究者と意義深い質疑応答、意見交換をすることができた。ここで得た知見については、今後の本研究の実施に反映していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行によって、協力関係にある大阪大学等の他大学への出張が実質上できなくなっている。そのため、高強度レーザーパルス光源を用いた実験の進捗に影響が出ている。そこで、光源を自前で用意する方針に切り替えたが、北海道大学にて実施予定だった光ファイバー融着器を使用したYbファイバーレーザー発振器の構築も遅れている。さらに、当該年度はオンライン化による授業準備時間の増加、実習授業時間確保のための夏休みの短縮などによって、研究に費やすことのできる時間が著しく減少した。新型コロナウィルス感染症の感染状況は未だ改善の兆しをみせていないが、今年度は時間をより有効に使ってエフォートを確保することで、遅れを改善していきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、部材を購入したYbファイバーレーザー発振器を光ファイバー融着によって構築し、高感度光検出器を準備する。これを使って、アンテナのような電極パターンを表面に施したダイヤモンド基板を用いて、電場誘起による第2高調波発生の実験を行う。 本実験が成功すれば、これを使った超広帯域コヒーレント赤外パルスの検出を試みたい。 また、マルチプレート圧縮法を用いた超広帯域コヒーレント赤外パルスの発生については、追実験でパルス波形の評価を行い、論文としてまとめる予定である。 さらに、周期的な金属構造をもったダイヤモンドを使った実験を行うため、最適な周期構造のデザインを行いたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響で、他大学に出張しての実験が難しくなった。そのため、出張費や消耗品費を他の経費に振り替えるなどしたが、差額が生じた。今後またしばらく出張しての実験が実施できない場合は、自前の実験設備購入などの用途振り替えを計画的に実施していきたい。
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Research Products
(4 results)