2020 Fiscal Year Research-status Report
周波数領域光信号処理を利用した最適化演算加速器に関する研究
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20K05377
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
清水 智 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所フォトニックネットワークシステム研究室, 主任研究員 (10533440)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 半導体光増幅器 / 光コム / 光コヒーレント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,実験を行う上で必要となる基盤的な信号観測技術として,広帯域な光コム信号スペクトルの振幅と位相を観測するための技術を確立した.光信号の振幅と位相を観測するための一般的な装置である光コヒーレントアナライザーでは観測帯域が数十GHzに限られるため,本研究で観測対象となる帯域幅が100GHzを超えるような広帯域なスペクトルを観測することが出来ない.そこで,観測信号のスペクトルを帯域幅が数十GHzの光フィルタにより複数の周波数領域に分割し,それぞれをコヒーレントアナライザーで観測した後,各分割領域の境界条件を適切に取り扱うことにより分割スペクトルを統合し全体を再生することで,測定器の観測帯域を大きく超える光信号の振幅・位相を観測することに成功した.具体的には,観測帯域が20GHzのコヒーレントアナライザーを用いて,帯域幅約150GHzで12.5GHz間隔の光コム信号の観測が可能であることを実験により示した.本研究成果により,広帯域な光コム信号を半導体光増幅器(SOA)に入力した際に各波長成分の相互作用による振幅・位相の変化を観測することが可能となり,本研究の実験を行うための重要な基盤技術を確立することが出来たと考えている. 数値計算シミュレーションによる検討を行うため,これまでの研究で使用してきたSOAの数値計算プログラムを改良し,多数の波長信号の入力に対して電子密度の変動を解析することが可能となり,それに起因する波長間相互作用を解析することを可能とした.これにより多数の周波数成分を含む光コム信号を入力した際のSOA内部での挙動を解析することが可能となり,今後の解析的検討に有効であると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスによる在宅勤務推進のため,実験による検討を十分に行うことが出来ずやや遅延が生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度確立した広帯域な光コムの観測技術を用いて,SOAに光コム信号を入力した際の波長間相互作用を観測し,光リザバーとしての可能性について検討していく. また,数値シミュレーションを活用してSOA内部の挙動を解析し,光リザバーとして有効に機能させるための条件等について検討していく.
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Causes of Carryover |
購入予定品についてメーカーに問い合わせたところ,R&D用の特殊品であるため近年は製造しておらず,性能保証出来るものを提供できるのが次年度以降になるとの回答を得た.同等品を扱っているメーカーが少なく,扱っている場合も高額になるため今年度の購入を断念した.次年度に上記の製品を購入することで当該助成金を使用する予定である.
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Research Products
(1 results)