2022 Fiscal Year Annual Research Report
Sea Glassに学ぶガラス固化体の化学的安定性評価シミュレーションの基礎開発
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20K05379
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤口 直哉 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40357174)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルカリホウ酸塩ガラス / 分子動力学法 / 原子間相互作用 / アルカリホウケイ酸塩ガラス / 4配位ホウ素存在比 / マグネシアアルミノケイ酸塩ガラス / Al配位数 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 昨年までに引き続き、ホウ酸塩融体/ガラスの古典的分子動力学へ適用する原子間相互作用の改善を進めた。ガラスを形成する4配位ホウ素の存在比の組成変化(B4比)を実測と合わせる工夫を施し、B4比の改善に成功した。密度の再現度はやや低いが、詳細な構造解析を進められる段階に達したと考える。 (2) 昨年度実施したナトリウムケイ酸塩融体/ガラスを対象とした分子動力学シミュレーションの結果を発展させ、ナトリウムホウケイ酸塩のシミュレーションを開始した。文献を参考に、各イオンの電荷が組成変化に対応する原子間相互作用を開発した。その結果、ケイ酸塩と共存するホウ素ユニットは4配位が支配的になる。これの再現は不充分であるが、傾向は一致するシミュレーションが可能となった。 (3) MgO-Al2O3-SiO2系ガラスの分子動力学シミュレーションに着手した。酸化物ガラス中でAlは酸素4-,5-,6-配位のユニットを形成する可能性があり、これらの存在比はガラスの特性に重要な影響を及ぼすと考えられる。ガラス構造を再現するために、まずβ-cordieriteとpyropeの結晶構造を再現する原子間相互作用を構築した。これを用いて、 (1-x)[yMgO-(1-y)Al2O3]-xSiO2(x=0.50~0.76, y=0.20~0.80)を対象としたシミュレーションを行った。xに応じた各ユニットの割合の変化はNMRの実験値とよい一致を示した。yに対しては、割合の変化の傾向が一致したが、y<0.5においては再現性に問題がある。また、5配位Alユニットの構造は6配位Alユニットの八面体構造に近いことが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)