2022 Fiscal Year Annual Research Report
Highly Functionalization of Photofunctional Materials due to Exciton Fusion and Exciton Fission by aid of Effects of Plasmon and Magnetic Field
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20K05452
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
米村 弘明 崇城大学, 工学部, 教授 (40220769)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 三重項-三重項消滅 / 一重項励起子分裂 / 光二量化 / 磁場効果 / 銀ナノ粒子 / 立体選択性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最初に、三重項励起子融合である三重項-三重項消滅を用いる光アップコンバージョンから引き続き起こる光二量化反応に対する磁場と超分子の効果における光生成物の立体選択性について焦点をあて検討した。 白金ポルフィリンテトラカルボン酸‐9-アントラセンカルボン酸の緩衝液にγ-シクロデキストリン(γ-CD)を添加したサンプルと無添加系サンプルを作製した。サンプルに光照射を行い、光二量体のジアステレオマーの生成比に対する磁場と超分子の効果をNMRによって評価した。 γ-CD無添加系とγ-CD添加系に、磁場(0.5 T)を印加するとsyn体とanti体の生成比は変化した。磁場を印加すると、γ-CD無添加系ではsyn体が増加し、一方、γ-CD添加系ではanti体が増加した。次に、磁場の有無に関らず、γ-CD添加によってanti体が増加した。以上の様に、光生成物の立体選択性(syn, anti-dimerの比)に及ぼす磁場とCDの効果は興味深い。 次に、ジフェニルヘキサトリエン(DPH)の一重項励起子分裂(SF)に対する磁場と局在表面プラズモン共鳴(LSPR)の効果を検討した。layer-by-layer法によって銀ナノ粒子(AgNP)とDPHをポリマー膜を3層隔てたAgNP-DPH基板を作製した。DPH‐AgNP基板におけるDPHの蛍光強度はDPH基板の場合より強くなった。これは、AgNPのLSPRによる増強電場によってDPHの励起過程が促進されたためと考えられる。次に、DPHの蛍光強度に対する磁場効果を測定した。2つの基板においてDPHの蛍光強度が増大する正の磁場効果が観測された。磁場強度依存性はAgNPの有無によって変化しなかった。以上の結果より、AgNPのLSPRによる増強電場によってDPHの励起過程が促進されることで、SFにより生成するDPH励起三重項が増加する事がわかった。
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Research Products
(8 results)