2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of highly emissive fluorescence sensors based on conformational changes and photoreactions of polycyclic aromatic compounds
Project/Area Number |
20K05474
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
前多 肇 金沢大学, 物質化学系, 教授 (40295720)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 蛍光 / ソルバトフルオロクロミズム / 金属イオン / 光反応 / エキシプレックス / ピレン / ペリレン / クラウンエーテル |
Outline of Annual Research Achievements |
新規強発光性蛍光センサーの開発を目指して、多環芳香族炭化水素と金属認識部位を連結した化合物の設計と合成、物性の評価を行ったところ、以下に示す金属イオン、溶媒の極性、光反応に応答する強発光性蛍光センサーの開発にそれぞれ成功した。 ピレンの1,3位にジアザクラウンエーテルを連結したピレノクリプタンドおよびペリレンとアザクラウンエーテルを連結した化合物を合成したところ、環サイズに応じてNa+、Mg2+、Ba2+イオンをそれぞれ選択的に認識できるOFF→ON型強発光性蛍光センサーとして働いた。一方、ペリレンに2分子のベンゾクラウンエーテルを連結した化合物およびフェナントレンとベンゾクラウンエーテルを連結した化合物は、Ba2+、Pb2+などの金属イオンを選択的に認識するON→OFF型強発光性蛍光センサーとして機能することが明らかになった。 ピレンの4,5位にアルコキシ基、1,8位に電子求引基を導入した化合物は、比較的高い蛍光量子収率(0.43-0.54)を保ったまま、発光波長が溶媒の極性が大きくなるにつれて長波長化する、正のソルバトフルオロクロミズムを示した。 ピレン-アルケン連結型化合物の光反応により、分子内[2+2]光環化付加体が主生成物として生成した。原料を含む溶液に金属イオンを添加すると、ピレンのモノマー発光の強度が増大し、分子内エキシプレックス発光の強度が減少した。これに対し、生成物を含む溶液に金属イオンを添加すると、分子内エキシプレックス発光が現れるとともに、モノマー発光の強度が減少した。すなわち、金属イオンと光照射の有無を同時に計測できる強発光性蛍光センサーとして有用であることを見出した。
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Research Products
(9 results)