2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K05494
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 健之 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (10262924)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝野 芳織 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00311762)
周 大揚 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00324848)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | イリジウム / 水素借用 / Tishchenko / エンテロラクトン / エナンチオダイバージェント合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は連続型の反応において、その工程に酸化と還元を組み込むことで、外部から酸化剤や還元剤を加えることなく、環境調和型の不斉触媒反応を開発することである。 すなわち、原料または中間体に潜在する酸化還元能を利用する不斉水素借用反応を開発する。さらに本反応の有用性を示すため、本反応で得られる生成物を用いて、有用な生物活性物質の合成を目指す。 前年度の研究により、キラルイリジウムジアミン錯体がメソ体のジアルデヒドに対し、不斉分子内Tishchenko反応を高エナンチオ選択的に進行させることを見出した。本合成法の有用性を示すため、光学活性ラクトンを短工程で高い光学収率を保ったまま、天然由来の抗生物質作用を有するエンテロラクトンに導いた。本合成においてβエピメリ化が起こることを見出し、さらに検討することでαエピメリ化とβエピメリ化を選択的に起こす条件を見出し、エンテロラクトンのエナンチオダイバージェント合成に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不斉分子内Tishchenko反応を利用する天然物エンテロラクトンの合成に成功し、学術誌に報告した。
|
Strategy for Future Research Activity |
不斉分子内Tishchenko反応の有用性を調査するため、他のリグナン類の合成に応用可能かどうか検討する。例えばアルクチゲニンは炎症、感染症、代謝異常、中枢神経機能不全に対する治療効果が期待できることから研究者の注目を集めている。本合成では不斉分子内Tishchenko反応で得られる光学活性ラクトンに異なる芳香族部位を導入する方法論を開発する必要がある。
|
Research Products
(1 results)