2021 Fiscal Year Research-status Report
Innovative synthesis for chiral organoboran compounds toward catalyst and medicine
Project/Area Number |
20K05509
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
添田 貴宏 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (10506819)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 含窒素複素環カルベン / 光学活性ボリン酸触媒 / アミノホウ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「触媒や医薬品を指向した光学活性有機ホウ素化合物の革新的合成」を目的とし,「触媒的不斉反応によるキラルなホウ素化合物の合成およびキラルなホウ素触媒の開発」を目指している。我々が独自に開発し,研究を進めてきた含窒素複素環カルベン (NHC)配位子を用い,NHC-銅触媒によるイミンへのホウ素導入反応の開発を検討し,光学活性なアミノホウ酸の高効率的合成に取り組んできた。 1) イミンへのホウ素試薬の触媒的不斉付加反応を集中的に検討した。反応の収率,立体選択性に関して満足の行く結果が得られていないため,さらなる触媒設計・合成に取り組み,新規複素環複素環カルベン (NHC)配位子の創出を推進している。また,基質となるイミンの窒素原子上の置換基についても精査し,反応に与える影響を検討中である。 2) コバルト-NHC-光触媒のハイブリット触媒系を活用し,光化学的にアミノ酸をホウ素化する反応も検討した,現状,目的の反応が進行していないため,さらなる条件を精査中である。 3) キラルなホウ酸触媒も並行して合成検討を進め,モデル反応への応用を行っている。ビナフチル骨格を有するキラルなボリン酸触媒はラセミ化を伴うことなく合成することに成功し,再現性,収率ともに良好な結果を得ることができた。現状では,合成した触媒活性や立体選択性などの触媒能を確認するため,モデル反応へ展開している。特に触媒化が困難な多成分反応であるPasserini反応をモデル反応とし,キラルなアミノ酸誘導体の合成を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独自に開発している複素環複素環カルベン (NHC)を用い,イミンへの触媒的不斉ホウ素化反応を検討を行ってきた。現状満足のいく立体選択性は得られていない。現在,計算化学などを駆使し,新たな触媒の設計と合成に取り組んでいる。 キラルなボリン酸触媒は,合成経路は確立したものの,触媒活性に問題があるため,現在調査中である。
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Strategy for Future Research Activity |
新規に合成した複素環複素環カルベンを活用し,引き続きホウ素化反応を検討する。特にイミンの窒素上の置換基は反応の立体選択性や反応性に大きく影響を与えることがわかったため,重点的に調査する予定である。また,反応によっては触媒設計を踏まえ,類縁体合成にも取り組む予定である。 キラルなボリン酸触媒については計算化学によって設計の見直しや新たな官能基の導入も視野に入れ,精力的に推進する。
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Research Products
(2 results)