2020 Fiscal Year Research-status Report
フラーレン誘導体を用いた高効率・低エネルギー消費型光触媒の開発
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20K05516
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
植田 光洋 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (60566298)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フラーレン誘導体 / 電子移動反応 / 可視光駆動型酸化還元触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学工業における物質生産においては、依然として熱エネルギーを大量に消費する生産工程が主流となっており、持続可能な社会への転換のためには、利用エネルギーのパラダイムシフトが必須である。有機薄膜太陽電池において電子輸送担体として利用されるフラーレンは、電子の運び屋=酸化還元触媒として利用可能であり、また、可視光照射下において高い電子受容性を示すことが知られている事から、可視光駆動型酸化還元触媒としての利用が可能であるが、本機能を有機合成へ応用した例はこれまでに知られていない。そこで、有機薄膜太陽電池は太陽光エネルギーを電気に変換する有用なシステムであるのに対し、本研究では、太陽光エネルギーをフラーレンが電子の運び屋として機能するためのエネルギーとして利用することで、有機化学反応の進行に必要なエネルギーのパラダイムシフトを目指した。 2020年度は、有機薄膜太陽電池の発電システムにおける電子移動過程を応用した新しい有機化学反応システムの開発を目的とし、フラーレンの可視光駆動型酸化還元触媒としての応用研究を行なった。その結果、テトラフェニルボレート塩からビフェニルが形成される酸化的カップリング反応の可視光駆動型酸化還元触媒としてフラーレンが機能することを見出した。また、本反応においてより触媒活性の高い(より少ない触媒量で十分な収率が得られる)新規フラーレン誘導体の開発にも成功した。これらの結果に関しては、現在、論文として投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テトラフェニルボレート塩からビフェニルが形成される酸化的カップリング反応の可視光駆動型酸化還元触媒としてフラーレンが機能することを見出し、また、本反応においてより触媒活性の高い新規フラーレン誘導体の開発にも成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はフラーレン誘導体がより有用な可視光駆動型酸化還元触媒として利用できるよう、様々な反応に適用し、利用可能な反応の探索を行う。また、従来の化学工業における熱エネルギー利用に対するパラダイムシフトを目指し、化学工業レベルで利用可能なより弱い光エネルギーで大量合成が可能な新規フラーレン誘導体の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
14円の残金が発生してしまったが、14円で購入できる物品がなかったため。 14円の残金に関しては、2021年度予算に含め適切に処理する予定である。
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Research Products
(4 results)