2021 Fiscal Year Research-status Report
カテプシンB阻害活性を有するラクトマイシン類の網羅的合成研究
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20K05518
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小川 熟人 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (50611109)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ラクトマイシン / 立体選択的合成 / カップリング反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラクトマイシン類はStreptomyces sp. ACT232から単離された新規ポリケチド天然物である。ラクトマイシン類は強力なカテプシンB阻害活性をもち,新規な作用機序による抗がん剤のリード化合物として期待される。本研究では,ラクトマイシン類について,構造活性相関研究を志向した合成法を確立し,ラクトマイシン類やその誘導体・類縁体の合成を行う。 2021年度はC8およびC9位の不斉中心を立体選択的に構築した後,C11位の不斉中心の構築について検討した。すなわち,1,4-ブタンジオールを出発物質として,10工程で合成したアルデヒドトリメチルシリルアセチレンを付加してC11位に相当する不斉中心を構築した。C9位の立体化学により立体選択的に進むと考えたが,混合物となった。そこで,得られたアセチレンアルコールをPCCにより酸化した後,ルテニウム触媒による不斉水素移動反応によりC11位の不斉中心を立体選択的に構築した。 また,上述の方法は工程数が多く,不斉中心を立体選択的に構築することが難しい。そこで,C8位からC11位の3つの不斉中心をより簡便に,かつ立体選択的に構築するため,新しい合成法も並行して検討した。具体的には,C11位の不斉中心はグリシドールの立体化学を活用することとし,3-ブチン-1-オール誘導体をグリシドール誘導体に付加してC8からC13位炭素骨格を構築した。その後,数工程で3置換オレフィンを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度もCOVID-19の影響で研究活動を通常の制限して実施した。そのため当初の計画よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度はラクトマイシンのラクトン部分の構築を行う。その後,2つの中間体をカップリング反応により連結してC1からC13炭素骨格の構築を目指す。
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Causes of Carryover |
2021年度もCOVID-19の影響で研究活動を制限していた。2022年度は当初の計画通り研究活動を実施できる見込みである。研究費の繰越分は試薬類やガラス器具類,液体窒素などの実験消耗品に使用する。
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