2022 Fiscal Year Research-status Report
超原子価ヨウ素反応剤のヘテロ原子の活性化を利用した新規メタルフリー結合形成の開発
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20K05520
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森本 功治 立命館大学, 薬学部, 講師 (10543952)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超原子価ヨウ素 / グリコシル化 / アミノ化 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェノール骨格は多くの生物活性天然物に含まれる部分構造であるため、新規結合形成反応の確立は創薬分野の発展に重要である。現在汎用とされている結合形成反応では、その反応工程の数の多さや煩雑さの点で課題があった。酸化的な合成手法においても、基質の制限や収率などの課題が多く存在する現状がある。一方、超原子価ヨウ素反応剤は毒性の高い重金属酸化剤と類似の反応性を示し、取り扱いが容易なことから、有機合成において現在広く用いられている。これまで3価の超原子価ヨウ素反応剤を用いるフェノール類の酸化反応が首尾良く進行することを明らかにし、これらの反応を生物活性天然物の全合成に応用している。今回3価の超原子価ヨウ素反応剤によるヘテロ原子の活性化を基軸としたクロスカップリング反応による新規結合形成法を検討した。その結果、超原子価ヨウ素反応剤を用いた、フェノール類およびアニリン類とフェノチアジン類の金属触媒を用いないC-Nクロスカップリングに成功した。 またグリコシル化化合物は糖鎖や糖タンパクなどの糖含有化合物にみられるように、ヒトの生理学において最も重要な化合物の一つとなっている。化学的なグリコシル化反応において、チオグリコシドはその安定性と反応の化学選択性から広く用いられている。そのため効率的なグリコシル化反応の開発は、有機合成において重要である。今回超原子価ヨウ素反応剤を用いた硫黄原子の活性化としてチオグリコシドを出発物質としたアシル化反応、アシル化体を中間体としたオリゴ糖合成の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超原子価ヨウ素反応剤を用いた新規反応の検討において芳香族のアミノ化、グリコシル化反応において有意義な結果を見いだすことができた。現在さらなる進展を目指し検討しており、有意義な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
超原子価ヨウ素反応剤を用いたアミノ化に関しては幅広いアミノ化反応への展開を目指し、その他のアミンとの反応を行っている。またグリコシル化反応においては、現在はその立体選択性の検討並びにC-グリコシル化への展開を行っている。
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Causes of Carryover |
一年目のコロナにより、予算が繰り越せていいたため。また使用用途としては試薬代40万円と出張費10万円、論文校正費4万円を見込んでいる。
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Research Products
(5 results)