• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

親水性およびイオン性物質の高性能・高選択性分離のためのHPLCカラムの開発

Research Project

Project/Area Number 20K05550
Research InstitutionKyoto Institute of Technology

Principal Investigator

池上 亨  京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (20301252)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords親水性相互作用 / イオン交換相互作用 / クロマトグラフィー / 構造選択性
Outline of Annual Research Achievements

(1)シリカの表面修飾に用いる重合反応と分離性能の関係の精査、最適化 新しい試みとして、シリカゲル表面にラジカル重合開始剤を結合し、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)によってシリカゲルにポリアクリルアミドを修飾する方法を開発した。表面開始型原子移動ラジカル重合(SI-ATRP)によって得られる非常に親水性の高い分離媒体は分離性能の点で改善の余地があったが、RAFT重合を利用することで、フリーラジカル重合のものより親水性及び分離対象の構造選択性が高く、SI-ATRPのものよりピーク形状の良いカラムを得ることができた。
(2)導入する高分子鎖の鎖長、鎖の密度と分離性能の相関の検討 親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)の分離が起こる水和相の測定方法を確立した。これによってSI-ATRPでポリアクリルアミド修飾したシリカゲルは、幅広い分析温度(5から60℃)に対して、安定した相比を維持することを示した。
(3)アニオン交換型のHILIC分離媒体の開発 炭素鎖長さや窒素の数が異なるアミノアルキルシランを結合したシリカゲルを各種調製し、その分離特性を評価した。構造選択性は窒素部分の級数には関係がなく、シリカ上に結合したアミノ基に含まれる窒素の量と比例関係にあることが示された。アニオン交換型の分離媒体を設計する上での重要な知見を得ることができた。
(4)HILIC分離媒体の特性評価法の開発 市販のHILICカラム45種類を横断的に評価し、分離特性のデータベースを構築した。これは現時点では世界最大のHILICカラムデータベースであると考えられる。古典的な構造選択性についてのデータを主成分解析により統計的に評価した。さらに主成分解析の軸をなす合成関数から、化学的な意味を持つ軸への変換を実現し、個々のHILICカラムの分離特性を理解し、応用へとつなげる情報を提供できるようになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(1)シリカの表面修飾に用いる重合反応条件とカラム性能の関係の精査、最適化 研究実績の概要に述べたとおり、いくつかの固定相で高い親水性を示すものが得られており、順調に知見を増やすことができている。
(2)導入する高分子鎖の鎖長、鎖の密度と分離性能の相関の検討 研究実績の概要に述べたとおり、高分子鎖の鎖長、鎖の密度と分離性能の相関を個別に解析、定量化する方法を確立できたので、順調に進んでいると判断できる。
(3)親水性相互作用型、イオン交換型で理論段数10万段を発生  長いシリカモノリスカラムの修飾について、産業界からの提供を受けることになった。キャピラリーカラム内でもATRPを実現する方法として、グルコースやアスコルビン酸などの還元剤存在下で重合を行う電子移動原子移動ラジカル重合(ARGET ATRP)法による修飾を検討する予定である。予備的な実験では効率よくシリカゲル上に高分子鎖を修飾できることがわかっている。
(4) 糖ペプチド、糖タンパクの分離への応用 生体中のペプチド、タンパク質に含まれる糖鎖の標準品と、その構造異性体の入手について、糖鎖を合成できる企業の協力を受けることになった。

Strategy for Future Research Activity

(1)シリカの表面修飾に用いる重合反応条件とカラム性能の関係の精査、最適化
(2)導入する高分子鎖の鎖長、鎖の密度と分離性能の相関の検討  目的(1)(2)については、従来使われていなかった官能基を含むモノマーを重合修飾することにより、アミド基やカルボン酸以外の官能基を含むポリマーに関しても従来見られた傾向が維持されるのか、あるいは別の挙動が見られるのか確認する。既にペプチド、核酸、糖を含むものについて検討を開始している。
(3)親水性相互作用型、イオン交換型で理論段数10万段を発生  イオン交換型については、さまざまな官能基を含むモノマーを検討し、知見を増やしてゆく。キャピラリーカラムにも適用できるSI-ATRPを開発するため、有酸素下でも進行するARGET SI-ATRPを開発する。
(4)高速条件下で利用価値の高い低分子型の分子識別部位の開発 アミノ基の結合量を増やして分離媒体に含まれる窒素の含有量を増加しつつ、かつ分配平衡の速い素材の探索を行う。
(5)糖ペプチド、糖タンパクの分離への応用 糖鎖の異性体を入手し、どの程度の構造的差異まで識別して分離可能かという性能の極限を知る検討を始める。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Functionalization using polymer or silane? A practical test method to characterize hydrophilic interaction chromatography phases in terms of their functionalization method2021

    • Author(s)
      Ikegami Tohru、Taniguchi Ashin、Okada Tomoyuki、Horie Kanta、Arase Syuntaro、Ikegami Yuka
    • Journal Title

      Journal of Chromatography A

      Volume: 1638 Pages: 461850~461850

    • DOI

      10.1016/j.chroma.2020.461850

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Comparison of the steric selectivity on hydrophilic interaction chromatography columns modified with poly(acrylamide) possessing different morphology2021

    • Author(s)
      Taniguchi Ashin、Ikegami Tohru
    • Journal Title

      Journal of Chromatography A

      Volume: 1650 Pages: 462207~462207

    • DOI

      10.1016/j.chroma.2021.462207

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 高親水性物質の分離を目的としたポリマーブラシ修飾型 HILIC固定相の開発2021

    • Author(s)
      谷口 亜紳、池上 亨
    • Organizer
      第32回クロマトグラフィー科学会議
    • Invited

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi