2022 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン分光法を用いたiPS細胞及び分化誘導細胞の非破壊,非侵襲評価法の確立
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20K05556
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
石垣 美歌 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 助教 (60610871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 成 香川大学, 医学部, 教授 (10325334)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ラマン分光法 / iPS細胞 / 分化誘導 / エリスロポエチン産生細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、iPS細胞のエリスロポエチン産生細胞への分化誘導過程における分子組成変化に関する解析結果をまとめ上げた。前年度までに、細胞分化が進むにつれて不飽和脂肪酸濃度が上昇することを示唆する結果が得られていたが、さらなる詳細なスペクトル解析、及び不飽和脂肪酸の標準試料に対するラマン測定結果から、脂肪酸の不飽和度も上昇することがさらに明らかとなった。また、エリスロポエチンの標準試料からラマンスペクトルを取得し、糖タンパク質に特徴的なスペクトルパターンの解析を実施た。その結果エリスロポエチン産生細胞への移行直前に、糖タンパク質濃度が上昇する解析結果を裏付ける結果が得られた。さらに、細胞分化に伴ってC-S結合由来の物質濃度が上昇する結果に対し、C-S結合を持つアミノ酸の標準試料に対するラマン測定を実施し、解析した。その結果、細胞分化に伴って濃度上昇するC-S成分は、どのアミノ酸のスペクトルパターンとも一致せず、ジメチルスルホキシドのスペクトルパターンと非常に良い一致を示すことが明らかとなった。 本研究期間に得られた結果成果をまとめて論文を執筆し、国際学術論文Analystに掲載された。また、国際学会SciX2022において、招待講演にて本研究成果を発表した。
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Research Products
(2 results)