2020 Fiscal Year Research-status Report
miRNAの生細胞内検出を指向した化学反応プローブの開発
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20K05563
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柴田 綾 岐阜大学, 工学部, 助教 (50462693)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遺伝子検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の遺伝子工学および画像処理技術の進歩により、細胞内のさまざまな事象の可視化が可能となってきた。生細胞内の遺伝子検出法として標的核酸を鋳型とした化学反応プローブがある。この遺伝子検出法の利点は標的核酸を鋳型とした反応サイクルを回すことで、シグナルを増幅することができる点にある。しかし、これらのプローブの多くは蛍光基質の構造変化をシグナル発生の鍵としているため、使用できる蛍光波長に制限がある。 本研究では、生細胞内での遺伝子検出が実用可能なプローブの構築を目指し、芳香族求核置換反応を利用した検出プローブの高いシグナル増幅能を維持したまま、クリック反応を利用したポスト修飾により、プローブの簡便な多色化を試みた。本年度はこれまでに開発した転移分子の合成収率の改善を試みた。特にdiNO2型分子の合成は効率が悪くスルホニルクロリド体の合成およびアミノ安息香酸との反応の段階の収率が数%であったため、以降の実験を行う上で支障があった。この段階の合成経路を見直し、チオール体を経由する方法に変更することで25%にまで収率を改善することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
転移反応分子の合成収率の改善がなかなか進まなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
転移分子の合成収率の改善の目処が立たので、転移分子を組み込んだプローブの配列等がテンプレート反応に及ぼす影響について検討を行う。
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Causes of Carryover |
有機合成が中心であったことに加え、コロナの影響で研究中断期間があったため。計画に大きな変更はなく、次年度は核酸合成等の消耗品の購入割合が増える予定である。
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