2020 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of infrared detection sensitivity for dissolved chemical species in water using infrared optical waveguide sensor
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20K05566
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀田 弘樹 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (80397603)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 海水溶存二酸化炭素 / 赤外光導波路 / 水中溶存有機化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はCO2検出のための高感度化検討として、赤外線検出器の変更を検討した。従来まで使用していた検出器と比較して、検出波長範囲は狭いが、感度が数十倍高くなるものを用いた。検出感度の向上に伴い、ノイズが軽減されたため、検出限界が1桁弱小さくなり、より高感度な検出が見込まれる結果が得られた。 CO2の赤外吸収は2400cm-1付近に観察されるが、これまではさらに低波数域まで検出することができる検出器を使用していた。それは、CO2がセンサー膜内で化学結合をすることにより、吸収波数域が変わることを懸念したためであった。しかし、本年は、2400cm-1付近の波数範囲の検出感度がより高い検出器を用いることで、感度をより優先することにした。その結果、s/n比のより高い検出を行うことができ、検出限界がより低い結果を得ることができた。 また、今後は検出波数域の拡大も検討する。これまでセンサーの基材として用いてきたサファイア棒は2000cm-1より低波数域では、基材自身が吸収を示すことから、試料のスペクトル測定を行うことは不可能であった。そのため、CO2がセンサー膜内で化学結合するなどして生成した、構造の変化を検出することができなかった。そこで、センサー基材にシリコン板などの比較的加工しやすく、赤外透過性の高い材料を用いてセンサーを構成することを検討する。その結果、CO2が膜内でエステルなどを生成した場合に、形成されるカルボニル基を検出することも可能になり、センサー膜内でのCO2の状態をより深く知ることができるようになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は感染症蔓延のため、実験室での実験が制限された。そのため、予定していた進捗に比べてやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
サファイア棒表面に被覆したポリメタクリル酸センサー膜内に、有機溶媒を含侵させることを検討する。CO2が有機溶媒に対してより高い溶解度を示すことが期待されるため、センサー膜内へのCO2の分配が起こりやすくなることが予想される。 これまで確認してきたセンサー膜自身の高感度化と合わせて、より高感度のCO2検出が期待できる。 また、検出波数域の拡大も検討する。これまでセンサーの基材として用いてきたサファイア棒は2000cm-1より低波数域では、基材自身が吸収を示すことから、試料のスペクトル測定を行うことは不可能であった。そのため、CO2がセンサー膜内で化学結合するなどして生成した、構造の変化を検出することができなかった。そこで、センサー基材にシリコン板などの比較的加工しやすく、赤外透過性の高い材料を用いてセンサーを構成することを検討する。その結果、CO2が膜内でエステルなどを生成した場合に、形成されるカルボニル基を検出することも可能になり、センサー膜内でのCO2の状態をより深く知ることができるようになる。
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Causes of Carryover |
昨年度は感染症蔓延のため計画がやや遅れてしまった。そのため、次年度に予算の一部を繰越し、新たなセンサー基材の検討に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)