2021 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of infrared detection sensitivity for dissolved chemical species in water using infrared optical waveguide sensor
Project/Area Number |
20K05566
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀田 弘樹 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (80397603)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 海水溶存二酸化炭素 / 赤外光導波路 / 水中溶存有機化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
テフロンAF薄膜をサファイアロッドに製膜し、それを用いた赤外光導波路センサーを作製している。二酸化炭素検出の感度向上を図り、成膜条件の検討を進めている。テフロンAF樹脂を溶剤に溶解し、ほぼ飽和状態の溶液を作製する。これをディップコート法によりサファイアロッドに成膜を行った。ロッド径はこれまでの最適化の結果1mm径のものを採用した。 適切な膜厚を保持するためには、1回の成膜ではコート条件を変更しても達成できなかったため、複数回の繰り返し成膜が必要であることが分かった。膜が薄い場合は、赤外吸収スペクトルに水の吸収が大きく現れ、CO2検出の妨害になり感度が低下した。一方で膜が厚い場合は、膜/試料水溶液界面まで赤外光が届かないためであると考えられるが、スペクトル変化が極めて小さくなった。試料に近い界面付近に試料が留まるためと考えられた。そのため最適な膜厚があることが分かった。おおよお3回程度の成膜で最適であり、その時の膜厚はおおよそ1マイクロメートル程度であった。試料溶液注入後、数秒~1分以内の検出が可能であり、検出時間は十分実用的であることが分かった。 また、本膜にて二酸化炭素以外の検出への試みとして、水溶液中のエタノールの検出を検討した。エタノールの赤外吸収スペクトルが得られ、検出ができていることが分かった。良好な検量線が得られ、%オーダーの水溶液中エタノールの検出が可能であることが分かった。そのほか酢酸エチルなどの揮発性有機化合物の検出が確認できているが、水溶性有機イオン類に対する検出は出来ていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍にて、実験の進捗が遅れているいること、半導体不足が原因と考えられるが検出器の納期が遅れていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本センサーを用いて、種々の有機化合物の検出を試みる。特に揮発性有機化合物はガス透過性の高いテフロンAF膜、その他の疎水性有機化合物については疎水性ポリメタクリル酸膜などいくつかの疎水性高分子膜と検出対象の組み合わせを考慮して、本センサーに適した検出対象を見出していく。 フロー系の検出器として本センサーが使用できないかの検討を進める。フロー系に組み入れCO2をはじめ溶存ガス成分または有機化合物の検出が可能であるか検討を行う。
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Causes of Carryover |
昨年度の進行が遅かったため、フローシステムの構築に対する予算が執行できなかったため。
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