2023 Fiscal Year Annual Research Report
第3世代バイオ素材で創出する次世代高分子材料の開発のための重合技術の構築
Project/Area Number |
20K05580
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
戸田 智之 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (60709335)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 藻類産生炭化水素 / ボトリオコッカス / 重合 / ジエン / ブタジエン / 長鎖アルキル置換ブタジエン / ネオジム触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では1位に長鎖アルキル基を有する1,3-ブタジエン誘導体である(E/Z)-ヘンイコサ-1,3-ジエン(HD)ならびに(3E/Z,12Z)-ヘンイコサ-1,3,12-トリエン(HT)を合成し、ネオジム(Nd)触媒を用いて1,3-ブタジエン(BD)との配位共重合を行い、新しい高分子材料を合成し、その熱特性の評価をした。 HDとHTは臭化アリルトリブチルホスホニウムと対応するアルデヒドとのWittig反応により合成した。 不活性ガス雰囲気下でBDと、HDまたはHTをヘキサン中でNd触媒(ネオデカン酸Nd/ジイソブチルアルミニウム/イソプレン/エチルアルミニウムセスキクロリド)を用いて20℃で24時間重合を行ったところ、BDのcis-1,4-構造を主成分とする共重合体が得られた。標準ポリスチレン換算の生成した共重合体の数平均分子量は20000-60000 g/mol、分子量分布は2.2-4.0で単峰性のポリマーであった。 共重合体の合成において各モノマーの仕込み量と生成ポリマーの各成分の組成を比べるとNd触媒に対してBDの方が反応性が高かった。またミクロ構造についてもBD成分は主にcis-1,4-構造が生成していた。 DSC測定によりHDおよびHT成分を4 mol%含む共重合体ではBD成分の結晶化の阻害が確認された。これは長鎖アルキル基の分子運動により結晶化が阻害されたためと考えられる。HD成分を29 mol%含む共重合体ではHD成分の融点のみが見られ、HT成分を18 mol%含む共重合体ではBD成分のガラス転移温度と融点が消失した。HD成分は側鎖が直鎖状飽和アルキル鎖であるため側鎖同士で結晶化しやすいが、HT成分は側鎖中にcis配置の二重結合を有するため側鎖同士で結晶化できないと考えられる。
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Research Products
(4 results)