2022 Fiscal Year Annual Research Report
高表面積ペロブスカイト型酸化物の創製とそのアンモニア分解触媒への応用
Project/Area Number |
20K05584
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
室山 広樹 京都大学, 工学研究科, 講師 (40542105)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ペロブスカイト型酸化物 / ナノ粒子 / アンモニア分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、調製した高表面積BaTiO3担持Ni触媒について、組成分析を行ったところ、調製過程にてカルボン酸によってBaが特異的に溶出していることが確認された。そこで、Baの塩基性が触媒のアンモニア分解活性に与える影響を調べるために、固相法で調製したBaTiO3とBaTi2O5にNiを担持させた触媒を使用してアンモニア分解試験を実施した。その結果、Ni/BaTi2O5触媒よりもNi/BaTiO3触媒の方がはるかに高いアンモニア分解活性を示した。本研究で新たに調製したNi/BaTiO3触媒におけるBaの流出は触媒の塩基性度を低下させ、活性に悪影響を与えている可能性があることが示唆された。本触媒の調製条件を変更することで、Baの流出を抑えた触媒の調製を試みたが、その抑制は困難であった。 本研究で調製したNi/BaTiO3触媒では、粒子サイズが非常に小さいために、触媒反応中に凝集し、性能低下を招く可能性が考えられる。そこで、アンモニア分解反応の長期試験を行い、性能変化を検討した。使用した触媒のNi担持量は6.4 wt.%であった。550 ℃に昇温した直後は転化率が59 %であったが、測定開始直後から、活性は低下した。24 h程度経過すると活性は22 %にまで減少し、その後は安定した。活性試験前の表面積は200 m2 g-1であり、試験後は148 m2 g-1まで減少した。試験後の試料においても従来の触媒と比較して十分に高い表面積であるといえる。そのため、凝集の結果として流通アンモニアガスに接触できないNiの割合が増加していると考えられる。これは、細孔内にあるNi(OH)2粒子が、BaTiO3の焼結の影響を受けやすいためと考えられる。焼結の影響を受けにくい粒子を増やすためには、担持量を増やす必要がある。
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Research Products
(2 results)