2022 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境問題の解決に寄与するサブナノサイズの空間を保持する高分子分離膜の開発
Project/Area Number |
20K05600
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
阪口 壽一 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (60432150)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 気体分離膜 / 二酸化炭素分離 / 地球温暖化 / 高分子膜 / ポリアセチレン |
Outline of Annual Research Achievements |
地球環境問題の解決に寄与する高分子膜を開発することを目的として、効率よく二酸化炭素を分離するサブナノサイズの空間を保持した高気体透過性ポリマー膜の合成を実施した。すなわち、窒素や酸素に比べて二酸化炭素を選択的に透過するとともに、その透過速度が大きい高分子膜を開発するポリマー構造を提案する。 かさ高い置換基やハロゲンを有する置換アセチレンポリマーを合成し、ポリマー膜を作製した。膜の状態のまま、一部の分子を除去することでサブナノサイズの空間を膜内部に形成させた。従来のポリマー膜では分子を除去しても空間は塞がってしまったが、本研究のポリマー構造は置換基によって空間を維持することができた。そのため、作製したポリマー膜は極めて高い気体透過性を示すことがわかった。また、取り除く分子の近傍に置換基を有する構造の高分子を設計し、合成した。近傍の置換基がかさ高い置換基ではないメチル基であっても、その立体効果によって、分子を取り除くと気体透過性の高いポリマー膜となり、サブナノサイズの空間を形成できることがわかった。 極性基をポリマー構造に導入すると二酸化炭素とポリマー膜の相互作用により、分離能が向上することが知られているが、極性基によってポリマー膜は緻密化し二酸化炭素の透過速度は大きく低下してしまう。しかし、上記のようにかさ高い置換基をポリマー構造に導入するとともに、ヒドロキシ基やイミダゾリウムといった極性基を導入すると高い二酸化炭素透過性と分離能力を両立する膜が調製できることを明らかにした。
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Research Products
(13 results)