2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of stereo-triblock polydienes by organo rare-earth catalysts and mechanical properties of polydienes
Project/Area Number |
20K05611
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
西井 圭 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (00552928)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ペンタジエン / イソタクチック構造 / トランス-1,4-構造 / リビング重合 / 希土類錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機金属触媒を用いた高活性,高立体特異的(cis-1,4- / trans-1,4- / 3,4- / 1,2-)ブタジエンあるいはイソプレン重合に関する報告例は多い.しかし, (E)-1,3-ペンタジエンのイソタクチック-トランス-1,4-特異的重合の報告例は少なく,新規触媒系の開発が必要である.最近ハーフサンドイッチ型希土類錯体触媒系が様々なアルケン類,ジアルケン類の重合反応に高活性,高立体特異性を示すことが知られている.そこで,本研究ではシクロペンタジエニル系の配位子を有するイットリウム錯体をトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートで活性化させて,トルエン中,25 °Cで(E)-1,3-ペンタジエン重合を行った.その結果,本錯体触媒系で得られたポリペンタジエンは比較的高分子量(Mn = 73 100, 169 900, 248 500)であった.とくに,ポリマーのイソタクチック(isotactic)構造選択率(mm)を示す値はmm > 95%およびトランス-1,4-構造選択率(trans-1,4)を示す値は trans-1,4 = 99%を有するisotactic-trans-1,4-ポリペンタジエンが合成できた.さらに,本触媒系に対し(E)-1,3-ペンタジエン仕込量と分子量および分子量分布の関係を調べた結果,isotactic-およびtrans-1,4-特異的リビング重合の進行を確認した. 一方,上記イットリウム錯体触媒の他に,スカンジウム錯体,ルテチウム錯体,ガドリニウム錯体の合成についても進めた.この結果,錯体合成は成功したが,単結晶の単離については未達成である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗状況において上記区分を選択した理由を示す.まず,申請時に計画していた「(E)-1,3-ペンタジエンのリビング重合の確認」に関して目的を達成できた事が理由である.さらに,「isotactic構造およびtrans-1,4-構造」を高いレベルで制御しつつ,リビング重合を進行させる触媒系であることも確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の申請の際、すでに重合溶媒の種類で「isotactic構造およびtrans-1,4-構造」が制御できることを確認していた.よって,今年度は本触媒系の特長である「立体および位置特異的リビング重合性」を利用して,「ステレオジブロックポリマー」および「ステレオトリブロックポリマー」の合成に挑戦する計画である.
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Research Products
(3 results)