2022 Fiscal Year Research-status Report
Entropy-Driven Self-Assembly of Soft Materials
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20K05623
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浅井 誠 慶應義塾大学, グローバルリサーチインスティテュート(三田), 特任教授 (80609941)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コロイド / ナノ粒子 / 高分子 / 自己組織化 / 分子動力学 / 結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子グラフトナノ粒子(Polymer Grafted Nanoparticles: PGNPs)は、無機物であるナノ粒子を高分子バルクの中に固定化させることができるため、無機と有機物の利点を併せ持つ高機能性高分子材料として注目を集めている。特に、高分子バルク中でナノ粒子に秩序構造を持たせることで、さまざまな熱的・光学的特性を制御できることが示されてきた。しかも、PGNPsは、我々の先行研究において、ナノ粒子表面にグラフトされた高分子鎖の熱的な揺らぎによって、ナノ粒子間に複雑なエントロピー相互作用をもたらすことがわかっており、その相互作用を制御することで、多彩な秩序構造を形成する可能性が示されてきた。さらに、PGNPsは星型高分子とのアナロジーで、その濃縮系においてダイヤモンド構造を形成する可能性が考えられており、メタマテリアルとしても利用できる可能性がある。そこで2022年度は、PGNPSの凝集体であるPGNPs膜の構造を分子動力学シミュレーションを用いて調べた。その結果、ダイヤモンド構造の一つ手前のBCC構造を得ることができた。この結果は、分子動力学法で初めてPGNPsがBCC構造に相転移することを直接的に観測した初めての事例としてSoft Matter誌に掲載された。また、本結果はSoft Matter誌のFrontカバー論文として選出された(M. Ishiyama, M. Asai, et al., Soft Matter, Vol.18, 6318-6325 (2022))。現在はさらにPGNPs膜を濃縮することで、ダイヤモンド構造を得られるかどうかを検証していている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PGNPsの結晶相転移を分子動力学法によって再現するには、計画当初に想定していたよりもずっと大きな系の計算をする必要があることがわかってきた。理由としては、ナノ粒子にグラフトしている高分子の分子量を十分に長くしないと、高分子間の相互作用が十分に大きlならずBCCにさえ相転移しないためである。想定よりも大きな系を計算する必要があるため、計画よりは計算時間がかかってしまっているが、大学のリソースを活用して高性能サーバーを利用することができているため、計算を進める上では大きな問題は生じておらず、概ね順調にプロジェクトは推移していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のリソースを活用し順次計算を実行していくことで、大きな問題が生じることはないと判断します。また、本研究プロジェクトでは、ゲルの自己組織化についても研究を進めているが、こちらに関しては、論文化の準備が整っているので、2023年度に論文投稿を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で、国外の共同研究者(コロンビア大学、ロックフェラー大学)を訪問して議論をする機会を得られなかったことや、国際会議に出席することができなかったことです。2023年度は海外での共同研究を進めていく予定です。
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Research Products
(1 results)