2023 Fiscal Year Research-status Report
Entropy-Driven Self-Assembly of Soft Materials
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20K05623
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浅井 誠 慶應義塾大学, グローバルリサーチインスティテュート(三田), 特任教授 (80609941)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コロイド / ナノ粒子 / 高分子 / 自己組織化 / 分子動力学 / 結晶 / ゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
最近, 高分子の結晶化プロセス(特に結晶化速度)を制御することで, ナノ粒子の自己組織化構造をマイクロオーダにまで発展させた報告がなされた. 濃度臨界直上における超希薄ゲルのゲル化過程でナノ粒子の自己組織化を制御することで, 超軽量の導電性ゲルを作成することができるかもしれない. そこで本年度は, 高分子ゲルの構造制御の研究に取り組んだ. 注目したのは,4分岐星形高分子の一種であるTetra-PEGゲルである. Tetra-PEGゲルは,相互に結合可能な官能基を末端に持つ2 種類の4 分岐星型高分子(Tetra-PEG プレポリマ) が交互に結合することで生成される高分子ゲルであり,高い機械的強度と生体適合を備えていることから主に生体材料としての応用が期待されている.しかし, 一般的にはゲルは生体内では周辺組織の水を吸うことで膨潤し, 周辺組織を損傷する可能性がある. そのため, 浸透圧の低い超低濃度でゲルを作成する必要があるが, ゲル化濃度臨界付近でのゲル化を短時間で実現できれば,99.9%が水で構成される強靭な人工生体材料の作製が可能になる. 我々は最近, Tetra-PEGモノマー溶液にゲル化反応に寄与しない成分を大量に混ぜた系では, 予想に反してゲル化反応が急激に早くなることを偶発的に発見した.これらの機構を詳細に調べた結果, 生物学における分子クラウディングと呼ばれる効果に似た現象がゲル化過程に影響を及ぼしていることがわかった. 現在は本成果の論文化を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
想定外の新規物理現象の発見があったので, 当初予定になかった原理解明に時間を割いたが, 概ね順調に進捗することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は, 超低濃度伝導ゲルの基盤技術となりうる超希薄ゲルのゲル化過程の解明を進める. また, ゲル化過程がナノ粒子の自己組織化に与える影響を分子動力学計算によって調査する.
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Causes of Carryover |
大学で無償で利用できる計算機リソースが増えたため, 当初予定していた計算機購入のタイミングがずれ込んだ. 本年度は引き続き計算リソースの確保のために支出と国際共同研究を進めるための渡航費や学会参加費用に支出を予定している.
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