2022 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト量子ドットの架橋型高次構造による励起状態制御とLEDの高性能化
Project/Area Number |
20K05639
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
千葉 貴之 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 助教 (20751811)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ペロブスカイト / 量子ドット / LED / 界面制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、スズや銅を利用した非鉛型ペロブスカイト化合物の開発、エネルギー移動、インクジェット成膜、化学組成制御や高分子分散について検証した。 1. 非鉛型ペロブスカイト化合物の開発:前駆体溶液を貧溶媒に滴下する再結晶過程を経由する層状ペロブスカイの二段階合成手法によりスズの酸化を効果的に抑制し、LED応用に成功した (ACS Appl. Mater. Interfaces 14, 22941, 2022)。また、優れた発光量子収率を有するCs3Cu2I5を合成し、ゲル浸透クロマトグラフィー洗浄により不純物を除去することで、薄膜形成が可能であることを明らかにした (Sci. Rep. 2022, 12, 4620)。 2. ペロブスカイト量子ドット間のエネルギー移動:粒径サイズの精密制御によりエネルギー準位の異なるペロブスカイト量子ドットを合成し、量子ドット間でのエネルギー移動により非放射失活過程の抑制と発光量子収率の向上を明らかにした (ACS Appl. Mater. Interfaces 14, 17691, 2022)。 3. インクジェット印刷によるペロブスカイト量子ドットLED:耐熱性および分散安定性の両立が可能な金属塩ドープ処理とインク粘度を調整した混合溶媒を用いることで、インクジェット印刷による緑色ロブスカイト量子ドットLEDの開発に成功した (ACS Appl. Opt. Mater. 1, 282, 2023)。 4. ペロブスカイト量子ドットのAサイト混合カチオンとLED応用:ホルムアミニジウムとCsの混合カチオン組成により、結晶構造が安定化し、発光特性が向上することを明らかにした。また、耐水性かつ自己修復機能を有する高分子材料との複合膜により、発光性能と機械的特性の両立に成功した (Adv. Mater. 2207617, 2023)。
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