2022 Fiscal Year Annual Research Report
分離・反応における省資源化を目指した層状結晶デザイン
Project/Area Number |
20K05661
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
岡田 友彦 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (30386552)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ナノシート / 吸着 / フィロケイ酸塩 / 酵素 / 室温反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
層状化合物でおこる特異的な反応(選択的分子吸着や触媒反応など)が、層間を無駄なく使用して進行するような、層状化合物の結晶をデザインすることを目的としている。 本年度は昨年度原著論文で公表した層状化合物の模倣酵素設計について、ホストの層状化合物を層状粘土鉱物(モンモリロナイト)に代えて、酸化グラフェンを用いて検討を行なった。グルコースデヒドロゲナーゼの活性点が、酸性アミノ酸(弱酸領域でカルボキシ基が解離する)と補酵素が組織化した構造であることを参考に、酸化グラフェンにカルボン酸とルイス酸を共存させるため、酸化グラフェン構造中へルイス酸のドーピングしたのち再酸化する手法について検討した。XRD、XPSおよびNMR分析などから、所望の構造が得られることを確認したが、酸化グラフェンへのドープ元素濃度とカルボキシ基の固定量に限度があり、さらには水中で膨潤させることが難しく、基質(グルコース)がほとんど吸着されないことがわかった。 並行して、水熱反応を利用した層状化合物の結晶デザインについて検討するため、種々の粒子表面における層状化合物を均一にコーティングする基礎技術の構築にあたった。種々の検討の結果、シリコンおよび黒リン表面にLiもしくはNaが吸着される層状化合物を均一コーティングさせることに成功した。シリコン粒子は黒色の顔料として、また黒リン被覆物はNaイオン電池用の負極活物質として応用させるため、水熱コーティングの最適化手法と得られる複合物質の機能についてまとめ、特許出願を行なった。
|
Research Products
(6 results)