2022 Fiscal Year Annual Research Report
シクロトリホスファゼンを核とする無機・有機ハイブリッド多機能化合物の選択的な合成
Project/Area Number |
20K05665
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒星 学 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (30242316)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シクロトリホスファゼン / 求核置換反応 / チオフェノール / フェノール / アンモニア / アニリン / 選択的置換反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘキサクロロシクロトリホスファゼン (HCCP) の6つの等価な P-Cl 結合に一つだけフェノールやアニリンを導入したモノ置換体の選択的な合成方法を確立した。フェノールについてはリチウムフェノキシド (3当量) を THF 中 -40℃で作用させることによって,二置換体や他の他置換体を生成することなくモノ置換体だけを高収率で得た。また,アニリンについては2当量のアニリンを THF 中で 0℃で HCCP に作用することにより,二置換体や他の他置換体を生成することなくモノ置換体だけを高収率で得た。ただし,塩基を変える/温度を変える/溶媒を変えるなど,反応条件を少しでも変えてしまうと,二置換体や他の他置換体が相当量得られてしまう結果となった。 HCCP にアンモニアガスを作用させて得られる 2,2-ジアミノ-4,4,6,6-テトラクロロシクロトリホスファゼンに過剰量 (6当量) のフェノールと水素化ナトリウムをアセトン中 50℃で作用させると,残った4つの P-Cl がすべて P-OAr に置換した。また反応条件を精査することにより,フェノキシドを3つ,ないしは二つ (gem-位) に導入した化合物が中程度の選択性で合成できた。 また HCCP をチオールで処理して得られる 2,2-アリールチオ-4,4,6,6-テトラクロロシクロトリホスファゼンにアンモニアやフェノキシドを作用させることにより,Cl を二つ (gem位) ないし4つ置換することができ,2種類の置換基を HCタCP に導入することができた。 現在フェノールやアニリンを一つ導入した生成物に第二の置換基を選択的に導入する検討を続けている。
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Research Products
(6 results)