2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K05671
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
望月 大 東京電機大学, 工学部, 教授 (90434315)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ナノシート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、異種の金属酸化物層をナノメートルスケールで交互に積層した新奇ナノハイブリッド型二酸化炭素還元触媒の創出を目的としている。ナノシート交互積層体は複数の材料の特性を併せ持つだけでなく、シート間距離を精密に制御でき、またヘテロ界面が広いため材料の機能性をより大きく向上させることができる。従来の積層方法がナノシート間に強い結合が生じるのに対し、本研究ではナノシート間のソフトな結合が特徴的である。合成手法としてはアゾベンゼン及びαシクロデキストリン(α-CD)の包接化反応を用いた。α-CDは包接作用によってトランス体のアゾベンゼンと包摂錯体を形成する。 酸化チタン(TiO2)-還元型酸化グラフェン(rGO)ナノシート交互積層体の合成を試みた。TiO2にアゾベンゼン誘導体(AZO)を、rGOにα-CDを修飾し、それぞれを超音波はく離させることで二つのナノシート分散液を得た。得られた分散液を混合することで、ナノシート交互積層体の合成に成功した。 AZOと層状ケイ酸塩オクトシリケートを反応させ、AZOSi-octosilicateの合成を行った。XRD、固体NMRから、AZOは、層状ケイ酸塩層間のSi-OH基と反応し、その固定量は層状ケイ酸塩のSi-OH/O-基の37.8 %であった。AZOの光異性化を検証するため、420 nm光照射を行ったところ、紫外可視吸収スペクトルより吸光度に変化がありトランス-シス異性化が確認された。また、420 nmの光照射で高角側に回折角がシフトし層間距離の減少が認められた。
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