2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanistic studies of hydrogen production over biomolecules decorated CdS nanoparticles
Project/Area Number |
20K05678
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
有馬 ボシールアハンマド 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (30596549)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 太陽エネルギー変換 / 水素製造 / 光触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球温暖化問題や資源枯渇による代替エネルギー問題の解決が国際的にも急務の中、究極のクリーンエネルギーである水素の製造法として光触媒法が最も注目されてきた。本研究では、可視光応答型光触媒である硫化カドミウム(CdS)やZnドープ型CdSの性能を向上させ、水素製造効率の向上を目指した。 本研究の前半では、我々が開発した新規方法で有機分子(バイオ分子)を添加したCdSナノコンポジットを合祀及び水素製造評価をした。そして、有機分子によるCdSの水素発生量の増大の機構について調査した結果、バイオ分子の化学構造の芳香環がCdSの正孔と相互作用することで電荷分離が向上し、水素発生量が増大すること、また、CdSの光腐食が減少することが分かった。CdSナノコンポジットの合成条件、助触媒の担持量、バイオ分子の種類、バイオ分子添加量の最適化により、当初6 mmol/h/gであった水素発生量を約5倍(29 mmol/h/g)に増大させることに成功した。 本研究の後半では、水素発生量のさらなる向上のため、水素製造の実験条件を最適化した。以前は1 mlあたりに0.75 mgの触媒を利用していたが、触媒量を最適化することで、1 mlあたりに0.025 mgの触媒を使ったときに水素発生量が最も高い(250 mmol/h/g、以前より約8倍の向上)事が分かった。これにより、CdSによる水素発生量が世界一になったと思われる。また、バイオ分子添加による水素発生量の増大を確認するためにZnS及びZn1-xCdxSの合成し、水素製造評価をした。その結果、バイオ分子添加によって水素発生量の増大を確認できた。 これまで得られた結果を用いて国際学会での国際学会発表4件(内、国際学会への招待講演2件)、国内学会発表3件と学術論文9件(さらに、国際雑誌投稿用論文2件を作成中)を発表した。
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