2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanochemical Synthesis of Functionalized Nano-carbons for Electrochemical Energy Conversion Devices
Project/Area Number |
20K05693
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
湯浅 雅賀 近畿大学, 産業理工学部, 准教授 (50404075)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メカノケミカル反応 / グラフェン / 大容量蓄電池 / グルコース燃料電池 / 二酸化炭素還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、メカノケミカル法でグラフェンを合成し、そのグラフェンの物性を明らかにするとともに、電気化学エネルギーデバイスへと応用展開することに取り組む。具体的には、メカノケミカル法により合成したグラフェンについて、以下の2点を明らかにする。
① 酸素還元・酸素発生に対して高い活性を示す要因を明らかにする ② 酸素還元・酸素発生反応以外の電気化学反応への適用可能性を探る
①について本年度は、メカノケミカル法により合成したグラフェンの電気化学特性(酸素還元活性および酸素発生活性)と欠陥構造の関係を調査した。メカノケミカル法により合成したグラフェンの酸素還元と酸素発生活性を計測し、得られた酸素還元電流および酸素発生電流を電極材料の表面積で規格化して「比活性」を定義した。また、メカノケミカル法により合成したグラフェンの原子配列に生じる欠陥構造をラマン分光法で評価した。そして、比活性と欠陥構造とを関連付けて考察した結果、メカノケミカル法により合成したグラフェンが酸素還元・酸素発生に対して高い活性を示す要因は、メカノケミカル法により導入された多数の欠陥にあることが推察された。また、メカノケミカル法により合成したグラフェンにおいては、酸素還元反応には比表面積の増大が重要であるが、酸素発生反応には比表面積の増大は特に有効でないことが明らかとなった。②について本年度は、メカノケミカル法により合成したグラフェンをスズ系酸化物と複合化することで大きな二酸化炭素還元電流が得られることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
欠陥構造と酸素還元・発生反応に対する比活性との関連性の調査から、「研究実績の概要」記載の本研究の目的①(メカノケミカル法により合成したグラフェンが酸素還元・酸素発生に対して高い活性を示す要因を明らかにする)について昨年度よりも深い知見を得ることができたため。また、メカノケミカル法により合成したグラフェンが二酸化炭素還元へも適用できることを見出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
①については、本年度で欠陥がメカノケミカル法により合成したグラフェンの酸素還元・酸素発生反応重要であることが明らかとなったため、来年度は最適な欠陥導入量、欠陥構造の探索を行う。また、酸素還元反応においては比表面積が重要であることが本年度で明らかとなったので、グラフェンの微細化方法の検討を行う。 ②については、メカノケミカル法により合成したグラフェンをスズ系酸化物と複合化することで大きな二酸化炭素還元電流が得られることが本年度に明らかとなったため、来年度はその原因の解明を行う。
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Research Products
(3 results)