2022 Fiscal Year Research-status Report
Visualization of flow patterns in a cell of redox flow battery by infrared thermography
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20K05694
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
田中 大 久留米工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (50342580)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レドックスフロー電池 / モデルセル / 流動状態 / 可視化 / 赤外線カメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
レドックスフロー電池のモデルセルを製作し、モデルセル内部の温度を熱電対で、モデルセル締結板外表面の温度を赤外線カメラで測定した。モデルセルには、冷水と温水を交互に流入させ、その温度変化を測定したが、冷水・温水を一定量流すために、2台の恒温水槽を購入した。また、熱電対温度測定用にデータロガーを、締結板外表面温度測定用に赤外線カメラを購入した。 レドックスフロー電池のモデルセル内の流動状態は、モデルセル内の流入口に設置されるディストリビュータの形状に大きく影響を受ける。ディストリビュータは流入口から流入した作動流体を横方向に流動させる機能を持ち、このディストリビュータを用いることでモデルセル内部を作動流体が比較的均一に流動することになる。仮にディストリビュータが設置されない場合、流入口付近のみの流量が大きくなり、モデルセル全体にわたっての流動が阻害される。 令和4年度においては、このディストリビュータの形状を複数設計し、3Dプリンタで製作して、モデルセル内に設置して流動状態を観察した。その結果、従来ディストリビュータとして用いられていたプラパールよりも流動状態を良好にできる形状があることが確認できた。しかし、流動状態の改善を定量的に評価できたわけではなく、また、その改善も限定的であったため、ディストリビュータの最適形状の実現にまでは至らなかった。 これまでに使用してきた締結板はステンレス製であり、より熱伝導率の高い銅製の締結板を設計・製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、実験に必要なモデルセルの製作を実施し、実験が可能な環境を整備した。また、新たな締結板として厚さ10mmの銅板で製作したものを準備した。これまでに使用してきた締結板はステンレス製だったため、これを銅板に変えることにより、モデルセル内の流動状態をより速く観察できるものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
新しく製作した銅製の締結板を用いて実験を行うことにより、締結板の熱伝導率の違いによる赤外線カメラ測定温度の比較を行う。さらに、ディストリビュータの最適設計を進め、レドックスフロー電池内の作動流体の流動状態を最適化することのできる条件を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で研究の進展が遅れたために、予算の執行が遅くなった。 必要な測定装置を購入する予定である。
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