2021 Fiscal Year Annual Research Report
劇的な薬効向上とデリバリー機能を兼ね備えた人工核酸分子の開発
Project/Area Number |
20K05706
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
中川 治 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (90380691)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 核酸医薬 / 核酸化学 / 人工核酸 / 核酸デリバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本代表者らが開発した糖部塩基部修飾型核酸“BNAP”は、核酸医薬へ応用されている2',4'-BNA/LNA人工核酸よりも優れた二重鎖形成能と、S-オリゴを上回る優れたヌクレアーゼ耐性を有する。本申請研究では、BNAPへのプロドラッグ化やデリバリー能等を付与することで、核酸医薬に対して高い薬効と安全性を兼ね備えた人工核酸分子へと発展させることを目的とする。以下4項目を検討した。 [1] BNAPヌクレオシド体の大量供給可能な合成法を開発した。最終年度は、実際の標的遺伝子配列に対するアンチセンスオリゴ核酸 (ASO) へBNAPを導入することにも成功した。[2] BNAPの人工塩基部 (G-clamp塩基) の生体内動態やデリバリー機能性 (臓器移行性) を検証すべく、G-clamp塩基をリンカーを介してオリゴ核酸に導入したG-clamp-linker-ASOを設計し合成を試みた。最終年度では、G-clamp-linkerをオリゴ核酸への導入に首尾よく成功し、十分な二重鎖形性能を有することも見出した。[3] BNAPの優れた二重鎖形成能は維持しつつ、合成工程数の大幅な短縮を期待し、グリコール核酸 (GNA) 糖部へ改変したGNAPを設計・合成した。最終年度は、GNAPをオリゴ核酸への導入にも成功し、二重鎖形性能や塩基識別能等の詳細な物性評価を実施した。[4] ガン細胞内で過剰発現しているニトロレダクターゼに応答し機能するプロドラッグ誘導体pro-BNAPを設計し、オリゴ核酸への導入に成功した。最終年度は、pro-BNAPを含むオリゴ核酸の二重鎖形成能やニトロレダクターゼによる活性評価を実施した。 以上、BNAP及びその誘導体を含むオリゴ核酸の合成に成功した。今後、BNAP類を細胞や動物での遺伝子発現抑制効果を評価し、核酸医薬における既存人工核酸との優位性を検証する予定である。
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Research Products
(1 results)