2020 Fiscal Year Research-status Report
自然免疫受容体Mincleのリガンド合成を基盤とした分子認識および細胞内挙動解析
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20K05733
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
松丸 尊紀 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (90636549)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | C型レクチン受容体 / Mincle / 免疫調節 / 自然免疫 / 複合脂質 / 有機合成化学 / ケミカルバイオロジー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、様々な生物種由来の複合脂質や自己の死細胞由来のタンパク質などを認識して免疫を制御するC型レクチン受容体 Mincleの機能解析を目指し、複合脂質リガンドを合成するとともに分子プローブ合成へと展開し、リガンド疎水性部位の認識機構とMincleおよびリガンドの細胞内挙動を解明する。特に、解析の難しい脂質部位の分子間相互作用解析のため、特徴的な脂質構造をもつ天然型リガンド、あるいはリガンド脂質部位へ機能導入した化合物の合成を行うことで、Mincleの機能解析を目指している。
本年度は、鍵となるリガンド分子として特異な脂質構造を有する天然由来複合脂質および、標的タンパク質との配位構造が知られており脂質部位設計のための基礎情報が得られる糖脂質を基幹構造とした化合物の合成法の確立に成功した。確立した手法を用いて、天然型構造あるいは複合脂質-Mincleの分子動力学計算の結果から設計した脂質部位改変誘導体の合成へ展開し、化合物ライブラリを構築するとともに、活性評価を行うことで、複合脂質リガンド-Mincleの構造活性相関を得た。得られた構造活性相関と分子動力学計算の結果と合わせて解析を行うことで、Mincleの分子認識機構に関する興味深い知見を得た。またリガンドの細胞内挙動を解析するための蛍光標識体の合成法を確立した。次年度は、本年度確立した合成法を用いてさらなる関連化合物の設計および合成を行うとともに、今年度得られた知見を含めてMincleの機能解析を進める。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画に示したMincleの複合脂質リガンドの合成法確立および関連化合物の合成を順調に達成している。また合成した化合物の活性評価を含む機能解析も進めており、Mincleの機能に関する新たな知見を得た。
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| Strategy for Future Research Activity |
研究計画全体として順調に進行中であり、引き続きリガンド合成に基づくMincleの機能解析を進める。初年度確立した合成手法をさらに効率的な複合脂質合成法へ発展させるとともに、これまでに得られている構造活性相関および分子動力学計算の結果を元とした分子設計と解析を進め、Mincleの分子認識機構の解明を目指す。また、Mincleおよびリガンドの細胞内挙動の解析に向けて、さらなる標識化合物を合成し、生細胞イメージングを展開する。
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