2022 Fiscal Year Annual Research Report
高効率な復帰変異株獲得に基づく膜蛋白質とリガンドの相互作用解明法の有用性の検証
Project/Area Number |
20K05750
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
篠原 康雄 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (60226157)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ADP/ATP輸送体 / 復帰変異株獲得 / タンパク質リガンド相互作用 / エラー誘発PCR |
Outline of Annual Research Achievements |
ある特定のタンパク質の阻害剤との相互作用の様式を解き明かす方法として、阻害剤存在下でも活性を示す「復帰変異株」を獲得するという方法があるが、従来の変異剤を用いたランダム変異誘発法ではゲノムに非選択的な変異が入るため、オフターゲット効果によるアーティファクトの排除が大きな課題であった。一方で、標的タンパク質だけに変異を入れる方法としては、そのcDNAにランダム変異を入れるerror prone PCRが有用であるが、ベクターとのligationと宿主の形質転換効率の低さが問題で復帰変異株の獲得には不向きだった。研究代表者はerror prone PCR法を酵母の高効率な組換え法であるgap-repair cloningと組み合わせることで、高効率に復帰変異株を獲得可能であることを見出した(山越ら、Mitochondrion 32(2017)1)。 本研究で研究代表者は、これまでに確立された高効率な復帰変異株獲得法を膜タンパク質とリガンドの相互作用を解析するための新たな方法論として発展させることを計画し、ミトコンドリアのADP/ATP輸送体とその特異的阻害剤であるボンクレキン酸との相互作用の解析に着手した。その結果、ボンクレキン酸に対する抵抗性を示す酵母を獲得する実験条件を特定することに成功し、実際に5つの変異株を獲得することができた。そこで更にその効率化を目指した研究に着手した。PCRの実験条件を変更することによって変異導入効率を高めることができたが、その場合、単一のcDNAに複数の変異が入ってしまったため、この問題の克服を目指した実験に着手した。その結果、完全長のcDNAをターゲットにして変異導入を行うのではなく、cDNAの特定の部分に限定して変異を導入する方法を採用することで、取り得るアミノ酸置換の可能性をより網羅的に検討ができることを明らかにすることができた。
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Research Products
(2 results)