2021 Fiscal Year Research-status Report
グルコース輸送体を標的とするBNCT用ホウ素クラスターキャリア分子の創製
Project/Area Number |
20K05755
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田中 智博 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 助教 (20711667)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ホウ素中性子線補足療法 / カチオン性ポリマー / ホウ素クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の主要な目的はホウ素中性子線補足療法に用いられるホウ素クラスターであるBSH(Sodium Borocaptate)を効率的にがん細胞内に取り込ませるための手法の確立にある。昨年度、我々は細胞内に効率的に取り込ませるための補助剤としてポリエチレンイミンやポリリジンなどのカチオン性ポリマーが有効である事を見出した。種々の検討の結果、カチオン性ポリマーがアニオン性分子であるBSHと静電的相互作用を介してナノ粒子を形成し、がん細胞内への移行を促進していると考えられた。しかしながら、その細胞内取り込み機構については以前不明であったため、本年度はA549細胞やHela-S3細胞を用いてその機構についての解析を行った。具体的には、ナノ粒子の主要な取り込み経路として知られるエンドサイトーシスに着目し、種々のエンドサイトーシス阻害剤を用いた取り込み阻害実験を行った。 その結果、メチル-β-シクロデキストリンやdynasoreにより前処理した細胞ではナノ粒子の取り込み量の低下が見られたため、ナノ粒子はカベオラ依存性エンドサイトーシス及びクラスリン依存性エンドサイトーシスによって取り込まれることが明らかとなった。一方で、これらの阻害剤の存在下においてもBSH単独よりも高い細胞内取り込み量を示したため、ナノ粒子の取り込みには複数の経路が関与していることが示唆された。そのため、蛍光基修飾されたカチオン性ポリマーを用いて解析を行ったが、現在のところ有益な結果は得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光基修飾されたポリマーを用いることでナノ粒子の細胞内局在を明らかにできると考えていたが、粒子化の際に複数の蛍光基が自己消光するため解析できなかった。このことから、完全な作用機序解析には他の手段が必要であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
カチオン性ポリマーを使用することでBSHの細胞内導入効率を飛躍的に向上する事には成功しているが、T/N比(腫瘍選択性)については実用的ではない。そのため、今後はT/N比の向上を目的として正常細胞モデルであるIMR-90を用いた検討を行っていく。また、ポリマーへの化学修飾についても検討する。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] Mefloquine Has a Potent Antiviral Activity against Severe Acute Respiratory Syndrome Related Coronavirus 22021
Author(s)
Kaho Shionoya, Masako Yamasaki, Shoya Iwanami, Yusuke Ito, Shuetsu Fukushi, Hirofumi Ohashi, Wakana Saso, Tomohiro Tanaka, Shin Aoki, Kouji Kuramochi, Shingo Iwami, Yoshimasa Takahashi, Tadaki Suzuki, Masamichi Muramatsu, Makoto Takeda, Takaji Wakita and Koichi Watashi
Organizer
第68回日本ウイルス学会学術学会
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[Presentation] Design, Synthesis, and Antiviral Activity of Anti-SARS-CoV-2 Agents in Interdisciplinary Research2021
Author(s)
Haruka Uchiyama, Mayuka Nii, Tomohiro Tanaka, Kohei Akimoto, Hiroshi Takemura, Kaho Shionoya, Hirofumi Ohashi, Koichi Watashi, and Shin Aoki
Organizer
2020/2021 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (PACICHEM2020/2021)
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