2022 Fiscal Year Annual Research Report
グルコース輸送体を標的とするBNCT用ホウ素クラスターキャリア分子の創製
Project/Area Number |
20K05755
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 智博 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (20711667)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ホウ素中性子線捕捉療法 / カチオン性ポリマー / ホウ素クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の主要な目的はホウ素中性子線捕捉療法に用いられるホウ素クラスターであるBSH(Sodium Borocaptate)を効率的にがん細胞内に取り込ませるための手法の確立にある。昨年度、我々はポリエチレンイミンやポリリジンなどのカチオン性ポリマーとアニオン性分子であるBSHからなるナノ粒子がカベオラ依存性及びクラスリン依存性エンドサイトーシスによって取り込まれること、それ以外にも非エンドサイトーシス経路によって取り込まれることを明らかとした。 本年度は、本ナノ粒子のBNCT効率を種々のがん細胞を用いて検証した。中性子照射実験は京大複合研にて行った。がん細胞モデル細胞には取り込み実験に引き続き、A549およびHela-S3細胞を用いた。その結果、本ナノ粒子は熱中性子線照射下どちらの細胞においても既存の10B薬剤(BPAおよびBSH)よりも高い細胞死誘導活性を示す事が明らかとなった。一方で、どちらの細胞においても取り込み量は同程度であるにもかかわらず、Hela-S3細胞に対する効果はA549細胞に対する効果よりも減弱していることが示唆された。この事は本ナノ粒子の細胞内局在が影響している可能性が高い。そのため、本研究課題期間は本年度で修了するが、今後はこの局在について明らかとしていく予定である。
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Research Products
(3 results)